ロケット発射は晴天の日に/daily
昔は「軌道に乗る」と言えば鉄道のことだったのだろうと思う。
その前ならば「波に乗る」で船のことだった。
今なら「衛星軌道に乗る」というほうが近代的でしっくりくるかもしれない。
怪気炎だって盛大にロケット燃料を燃やしながら吐き出す、
空を真っ二つに切り裂くように猛烈な勢いで上昇するロケット。
天を地を観察する人工衛星という人の叡智を搭載している。
そういうエネルギーを有する存在ってのがうらやましい。
今の僕は嵐の中で飛べずに斜面のくぼみにうずくまる翼竜か、
はたまた飛ぶことを忘れて地上で地虫を喰らうキウィというところか。
いやしかし、生きていることは尊くて、それらを馬鹿にしているわけではないのだけど。
それでもまだ生きているだけでは納得できなくて。
けれどこの泥沼で水かきを急がせることで精一杯で。
飛ぶことすらままらない現状を蹴っ散らして、
風切羽を陽光に透かしてヒバリのように燃えながら上昇してしまえばいいのに。
終には重力を振り払ってしまうロケットみたいに。
しかしなかなか、そういう燃料ってやつを補給できないんだよね。
どっかに穴でも空いているんだろうけれど。