北京五輪(3)/スポーツ

まずはソフトボールの金メダルおめでとうございます。

エースの上野は2日間3試合で400球越えですか……ど根性ですね。すげえ。

(おかげでウチの王監督が「ウチの投手陣は投げ込みが足りないかな」と発言し、ジョークと知りつつ戦慄した)

アテネ銀の雪辱。悲願ですよねぇ。解説の宇津木さんの絶叫がすごかった。

続いて、女子サッカー

敢闘しての4位。屈辱感のない爽やかな悔しさがありました。

3位決定戦は、日本は加速のキレの無さに、ドイツはボールコントロールに、それぞれ疲れが見えていました。そんな中で、日本がボールコントロールでキープするものの、どんなにボールを失っても最後のエリアに入れまいとするドイツディフェンスをなかなかスピードで切り裂けず、得点できないシーンが長かった。こういう場合に有効なミドルも撃ったのだけど、なかなかゴールを割れない。

失点は一瞬。

惜しかった、丸山とかフレッシュな選手をもう少し早めに投入しても良かったのかも、とは思うけど、それが結果論と思える。そういう総力を尽くしての敗戦でした。

お疲れ様です。

男子サッカーが、持ち上げられすぎたのもあってか、実態を見て、工夫も無くて、屈辱的な悔しさがあったのとは対照的でした。

しかし、反町監督が選手に謝ったというのが気にかかる。

選手がその悔しさを自身の力不足ではなく監督の采配のせいにしていないか?

それが気がかりです。

一方で、女子マラソンにはすごいプレッシャーがあったのだろうと思います。

野口選手、土佐選手、中村選手、お疲れ様でした。

が、プレッシャーを作った側、マスコミはもっと何を反省すべきかを明らかにしないといけません。

柔道もそうですけど、今回の不振の原因は何なのか、しっかり取材してほしいです。

敗因は面白くないです。でも、知らないと成長できません。

さて、野球。

準決勝で韓国に敗戦し金メダルの夢は潰えました。

やっぱりなぁ……って、あんまり悔しくないんですよね。

多くのプロ野球ファンは同じ思いかもしれません。

だって、ファンが「このメンバーならば!」と思えないメンツだったですから。

贔屓目で「何故こいつが選ばれない!」っていう不満が生じるのならともかく、「こいつらで大丈夫か……?」という不安が生じたのはプロが国際試合に出るようになって初めてです。

確かに、不振の上原と成瀬を再生した大野投手コーチの手腕はさすがでした。でも、直前合宿で調子を戻すって一種の賭けですよね。現に、岩瀬の調子は上がらなかったですし。

遊撃手が4人ということで、西岡を二塁に、中島を三塁に起用とぶちあげてみたものの、それはやはり奇策でしかなく、壮行試合でも満足できるレベルの守備ではなかった。しかも川崎が直前合宿で怪我。この時点で診断書出して交換しておけばよかったが、川崎はどう見ても試合に出られる状態ではなく、正遊撃手は実質離脱。この時点で、先発メンバーを固定できなくなり、外野も守れると呼んでいた荒木を二塁で使う必要が出てきて、外野は青木と太もも裏痛・稲葉、守備微妙GGに固定せざるをえなくなる。三塁は村田。けど、その村田が大不振。GGは準決勝でガチガチで失策するし経験不足。

まともにチームとして機能していなかった。

だいたい、セリーグ選抜の方が納得できるメンツだったってどんだけだよ、と。

文字通り完敗したし。

パリーグファンは冗談めかして「そこは空気読んでウチみたいに1.5軍で手を抜いて負けとけよ」って言ってたけど、ぜんぜん冗談になりませんでした。

話を準決勝に戻す。

藤川が打たれて同点になった。そこで「まだ同点!」と声を出す人間がベンチに居なかった。コーチも何も言わない。あれは崩壊した、ペナントならBクラスを抜け出せないチームの姿です。

岩瀬が打たれたのは仕方がない。というより、打たれる前から不安げな顔をしていた岩瀬が自信喪失しないか心配。岩瀬は可哀想だ。

しかし、その後、何故涌井だったのか?チームを奮い立たせるにはここで抑えに指名していた上原をつぎ込み、星野の監督としての一貫性を保つ必要があったはず。そういう責任の取り方を見せる闘争心すら無かったのか!?

情けない。

星野監督が日本一に輝いていない理由を、改めて認識させられた。

星野監督は挽回する場面がいくらでもあるシーズンならば、選手をうまく乗せてやることができる。それは、鉄建制裁など一瞬の激しさはあるものの底流にはやさしさがある。

しかし、短期決戦では、もう少しの選手を引っ張ったり、だめな選手を切ったり、そういう冷徹さが必要。それが星野監督はできない。

例えば昨年の日本シリーズ落合監督完全試合ペースだった山井を岩瀬に交代させた。情で言えば続投させる場面、星野監督なら間違いなく続投させるでしょう。

しかし、そこで打たれるかどうかは、完全試合の達成数で推し量るべし、打たれる可能性の方が高い。だからそれを冷静に見切った落合監督は山井を下げて、昨季の岩瀬を取った。そして、日本一。

てかさ、ベンチにテレビカメラが入っているとか、本当にあの準決勝を大事に思ってたのか疑問。

予選で負けている相手との再戦。普通、ピリピリしてテレビカメラシャットアウトとかしたくなるはず。普通の監督なら。あのさ、ベンチに緊張感がなくて、そこからフィールドに出た瞬間に緊張感に襲われるような状況、選手はフィールドで孤立感を覚えるんじゃない?その緊張感の落差で、実力は発揮されなかったとも思える。

監督時代は選手に向けて演出することでチームを盛り上げていたのに、この北京五輪では星野の目がマスコミに向いていたように思う。いや、ファンの方にも向いていなかった(現役時代はファンに対して演じていたものだが)。配慮してもらえなかった選手たちがかわいそうです。

だいたい、野球界も国際大会のたびにボールの違いを指摘されているのに、いまだに統一する気配がないし、野球は国際大会を片手間でやっている。だから五輪から外されるんです。

そういえばタイブレーク制導入が明らかになった際、星野監督は「そんなのは野球じゃない!」って怒ったけれど実は日本のアマ野球ですでに導入されているもので、五輪本部から試合短縮について尋ねられたアマ球界が教えてあげたというのがすぐわかった。この件で星野監督はアマ野球をぜんぜん知らないってことを露呈した。豊田さんは知ってたそうで、星野監督の無知に苦言を呈していた。星野監督が、日本野球全体を代表する監督が、そういうアマの活動=野球普及の裾野をぜんぜん知らないという点において、果たして彼は五輪最後の大会の監督に本当にふさわしかったのか、と疑問に思わざるを得ません。

つーか、何がムカつくって試合後のコメントがことごとくムカつくんだよ!

苦笑とか自嘲とか、お前の采配がまずいんだろーが!

こんなのが来年のWBC監督候補とか、真剣に頭が痛い!

上層部含む首脳陣が五輪をなめてた。

いや、ファンですらペナントが大事とか言ってた。ごめん。

韓国の右翼手がウィニングボールをキャッチした瞬間に崩れ落ちるように身を屈めた。

あの歓喜を見た瞬間に彼我の思い入れの差を痛感した。

完全に気持ちで負けた。そういう屈辱感。

アマ野球の人たちに申し訳ない。

口だけだった。だから負けた。以上。

こんな煮え切らない思いを少し男子400メートルリレーの銅メダルが癒してくれました。

すげえ。

これは嬉い。

アメリカとイギリスがバトンミスで失格したたなぼたとはいえ、それもバトンリレーを磨いた日本の戦略があってこその勝利。

朝原は幸せな選手だなぁ。

おめでとう。

(追記)

帰国してからの星野監督の「言い訳はしたくないが」と前置きした上での言い訳が見苦しくてかなわない。

例えば、「選んだ選手を信じていた」だと!?ふざけんな!信じていたなら何故本職サードの村田を差し置いて「中島サードコンバート」なんてふざけたプランが出るんだよ!?ダルビッシュの起用が場当たり的になるんだよ!?

しかも準決勝の敗戦直後の感想が「嘘だろう?」だって、甘く見すぎっつーか韓国に失礼だし。

なんか、ちょー楽天的だったみたい。お花畑だったみたい。

なんつーか、いろいろムカついたけど、最後にはがっかりした。もうちょっとなんか、こう、しっかりした人と思っていた。

故・島野コーチの株がうなぎのぼりですよ。……はぁ、本当に惜しい人を亡くしたんだなぁ……。