現場感覚の欠如/daily

犯罪予告検知のソフト開発へ=来年度予算で要求-通り魔事件受け増田総務相

6月11日19時1分配信 時事通信

 増田寛也総務相は11日、インターネット上の犯罪予告を検知できるソフトウエアの開発費を、来年度予算の概算要求に盛り込む方針を明らかにした。同日開かれた、東京・秋葉原の通り魔事件を受けた再発防止のための関係閣僚会議終了後、記者団に語った。

 開発が検討されるソフトは言語技術を応用し、違法・有害情報の検出精度を向上させるもの。通常とは異なる急激な書き込みの増加や、自殺や殺人予告などの言葉を使った議論の流れなどを分析し、犯罪につながるような情報を認知できるようにする。業界関係者によると、ソフト開発には少なくとも数億円の費用が掛かるという。 

とお偉いさんがゆっくりしている間に…2時間で出来とるw

「予告in」:インターネット上の犯行予告を集積・共有し、犯罪を未然に防ぐサービス

はてなブックマークのセルクマコメントによると

2008年06月12日 satoru_net 数億円もかかってないけど、2時間でつくってみた。

とのこと。

うん…ジョークサイトなつもりかもしれませんが、マジレスすると白地にした方が怪しさが減って機能すると思います。

でも、本当にこういうふうにソリューションを目に見える形ですぐに出せる技術者は尊敬に値します。

素晴らしい。

もちろんこのサイトだけで完成とは言えない。

広大なネットの全域をカバーしているわけではないから。

この予告inは精度は低いが総当り的に探せる言語検索と精度が高いが逐次的な通報システムとを組み合わせて作るという簡単に作れるアイディアを実際に作って見せたことが秀逸なのだと思う。

官が作ると言語検索だけで完璧に犯行予告だけを拾うシステムを作ろうとするから予算が異常に掛かるのだと推測。

そしてそれは潜られたら対応できないとか、融通の利かないシステムになる。

それよりはこういう柔軟なシステムを構築した方が実効性が高いと思う。

そしてそのアイディアを簡単に作ってみて、そしてその叩き台を基にもっと良さそうなものを作る。

これがエンジニアの感覚だと思う。

さて、この件に限らず政治家や官僚のITに関する認識はかなりズレてるというか…現場感覚の欠如が原因なのだろう。

民の柔軟さと官の堅牢さをうまく連携する変換ギアをずっと作れないままなんだよな。

三セクも失敗したし。協働するんじゃなくて、理念を共有するだけでいいから、なんとかしないと官と民の感覚の乖離はどんどん進んでしまう。

それにしてもいい流れだ。

今回の秋葉原の事件も、掲示板を見た人から管理者に十数件の通報が寄せられたのに、管理者が日曜日で休みだったために対応できなかったとのこと。

どんな掲示板でも見る人がいるから書き込まれるのだから、そういう犯行予告を見た人が通報しやすい環境を整えるのが先じゃないだろうか?ということですね。

いきなり警察だとおおごとすぎる気がするし、ホットラインセンター?は知名度低いし、なのでこういう媒介してくれるものがあると通報する側も楽だと思う。

これが本当に発展していくと、日本はもっと面白くなると思うのだけれど。

(追記)

ニュースも早いw!

犯行予告収集サイト「予告.in」公開 「0億円、2時間で作った」(2008年06月12日 11時37分 更新 ITmediaニュース)

しかもYahoo!ニュースのトップにも入ってるw!

ITmediaの記者もGJ!

マスコミはこういうネットの良い面も報道してくれないと、ネットに未体験の人が悪い情報を聞いて悪い情報を探しに来る場所になってしまう。

良い面を報じて、良い情報を探しに来る流れをつくりたいよね。

本気で使うとすると、

一般のユーザが殺人あるいは自殺予告を発見して予告inに通報orクロールで発見→スタッフが確認して警察通報&平行してカウンセリングボランティアが説得のために掲示板で接触→説得成功or情報開示で住所特定→身柄確保

みたいな流れになるから、NPOつくって警察への連絡協力に関する協定結んで、ブログポータルとSNSとかインターネットサービスの会社にから寄付金募れば運営できるんじゃね?

あとは政府にこの気軽な善意を受け止めて組織対応の経路に組み込む器があるか否かかな。