支倉凍砂『狼と香辛料~太陽の金貨~』15巻・16巻/読書感想

面白かった。これは単純にラノベという枠を越えて、中高生辺りに経済の面白さを知ってもらう意味で読んでほしいなぁ。そんで、16巻を読み終わったところで、現代の通貨経済がどのように構成されているか……。

ま、その辺は経済学の先生に譲るとして。

作者もあとがきで書いていますが、これは確かに「え?終わり?」と重ってしまうかも知れません。

でも、これは「もう勝負ついてるから」ということですね。

ロレンスとホロの働きによって趨勢は決しているのですが、双方ともに消耗しきっているためにすぐに決着できない状況だと思われます。性急に事を運ぶと、蓄えがないことが露呈して瓦解しかねないわけですし、ゆっくりとことをすすめる中で状況が変わるかも知れない。そういう双方の思惑の下での事態の停滞と思われます。

そんなのじっくり描いたって退屈なわけですし、そんなことよりロレンスの療養のためにも温泉ですよね!

ストーリー的最終回の後に温泉回とかSNEG

後日譚も、行商路を回る話になるんじゃないかなぁ。ちょうど一周してレスコに戻る頃には、完全な決着がついていることでしょうしね。

そういう話になるんじゃないかな、と予想しています。安心してニヤニヤできそうで、ものすごく楽しみ。

うーん、本当に良い温度を持ったファンタジー小説でした。

次回作にも期待ですね。