ゴッホ展@九州国立博物館/展覧会感想

今日は雨が降ってるからだらだらすることにした。

昨日はきまめと太宰府に。

太宰府天満宮に12時半頃着いて、参拝しておみくじ引いた。小吉だった。

コツコツやるのがいいとのこと。がんばりまっか。ぼちぼちでんな。

ゴッホ展は予想以上に点数が多くて時間がかかり、疲れました。でも、面白かった。

展示は6章立てで構成されていて、影響を受けた画家を確認しながら素描なども見つつ、ゴッホの画家としての変化を見ていく、というコンセプトでした。

他の画家の作品も見られてよかった。

第1章は、1884年の作品「秋のポプラ並木」と死の前、1890年の作品「曇り空の下の積み藁」とを並べ、その変化の過程で影響を受けたであろう画家の作品7点を観る。ルソー、ミレー、クールベ、ドービニー、ルーロフス、イスラエルス、デ・ボックでした。クールベの「マグロンヌの地中海風景」とドービニー「四月の月(赤い月)」しか思い出せない……デ・ボック「河の景観」もよかった気がするんだけど…思い出せぬ…。

第2章はゴッホの27歳~30歳、画家を志した頃の素描を中心にした展開。

ミレーの「掘る人」を手本にした素描などです。「正直、あんまりうまくないですね」って言いたい感じなのですが、やっぱり段々上手くなってくんですよね。

パースペクティヴ・フレームという、人物の前に置いた糸や針金のラインでカンヴァスに比率を合わせたデッサンをしやすくするツールについても説明がありました。

第3章は30~32歳、ニューネン時代となります。農民や労働者などの貧しい人々への視線がはっきり現れてます。

うーん、この辺はあんまり印象深いのは……「白い帽子を被った女の頭部」とかあったんですけどね。「じゃがいもを食べる人々」のリトグラフもあったりしましたけど。

「第4章:パリのモダニズム」は良かった。謎のポージングをした人体模型から入るわけですが、ゴッホ作品では花の静物の色彩。並べられた中ではモネの「ポール=ドモワの洞窟」の水の表現が素晴らしかった。水面に映る断崖の肌色というか土色というか……それと、水中の断崖の表現が凄い。どんだけ水が好きなの、モネ。

スーラやポール・シニャックの点描を用いて視覚的に色を混ぜる表現とゴッホの筆を長めに伸ばしながらも同じ効果を狙う表現についての比較も良かった。

第5章はアルルへの転居後の作品群。

どの作品もエネルギッシュで、「黄色い家に仲間の画家を呼び寄せてみんなで頑張りたい」というゴッホの意欲がうかがえました。とりわけ入り口に飾ったという「緑の葡萄畑」の筆遣い色遣いの力感がすごかった。

有名な「アルルの寝室」については、寝室の再現や黄色い家の再現CGを見てから鑑賞できます。

ゴーギャンの椅子」も面白かった。カラフルな椅子に火を灯した燭台と、二冊の本。椅子の上の明かりよりも左上の壁付の燭台の明かりの方がしっかりと絵の具を盛ってあったのはどういう意味なんでしょうか?ゴーギャンの絵も展示してありましたが、ゴーギャンは割とさっぱりした人だったんだろうなぁ、と思いました。

他にも影響を受けた作品として歌川の作品もありました。

アルルの夜空の作品群や、跳ね橋、夜のカフェテラスなどは無かったですけど、良かったです。

第6章では、サン=レミとオーヴェール=シュル=オワーズでの生活……つまり、発作的に左耳を切り取った後の、療養生活中の作品は、色彩豊かな明るい作品と青とその補色で構成された作品とが交互にありました。この章の主役は「アイリス」でしょうね。黄金色の背景に繊細な濃淡のアイリスがよく映えていました。

で、終わって思ったのは「画家を目指すまで何やってたんだ?」ってこと。

Wikipediaで調べたら(http://goo.gl/dDxNq)、19歳から4年間は美術商会に勤め、失恋をきっかけに勤務態度が悪くなってクビに。牧師を目指すも、うまくいかず、3年後に仮免許を剥奪される……。

これってコミュニケーション的にちょっとアレだった感じですね……。つか、切った耳のその後が「奇行」という言葉で済ますにはちょっとヤバすぎです。

結局、存命中は評価されず、ポスト印象派の時代になって評価を受けて今に至る、って感じですか。

なんか、極めるにしてもねぇ……最初はあんまりうまくなくて親近感でしたけど、天才って恐ろしい。