家族あるいは共同体というもの

「asahi.com(朝日新聞社):性別変えた夫の子、妻出産でも婚外子扱い 法務省見解 - 社会」のはてブにて、「ちょっとぶっとんでるけど、相互扶助による生活効率の追求と言う意味で性別や血縁に関係なく家族を構成する契約関係ってのはあっても良いと思うんだよねー。血縁(遺伝)関係だけ贈与税緩和するとかして。」ってのを書いたので、id:casmさんから「養子縁組契約。」ってコメをいただきました。

養子縁組は親子関係になってしまいますよね?
僕のイメージはもっとゆるゆるにぶっとんでるんです。てか、そうでないと「ぶっとんでる」なんて書きません*1
主たる家計維持者がいて、副たる家計維持者がいて(いなくても良い)、被扶養者がいる、っていう構造を一家族として取り扱う制度という意味です。主たる家計維持者も副たる家計従事者も、性別を問いません。単なる税制あるいは補助金受給上の登記的なものです。異性でもいいですけど、同性でも構いません。厳密には一緒に住んでいる必要もありません(確認するのが手間だから)。
ただ、家に多くの人が住んで、相互に助け合う方が光熱費的にも食費的にも医療費的にも合理的とかその程度の思想です。あまり深く考えてはいません。
そういうわけで、住居の税金は戸別に徴収されますが、主たる家計維持者に住居関係で人数相応の還付があります*2。その他、保健関連の還付も主たる家計維持者にされればいいと思います。いずれにせよ、これまでのような意味での家族を構成するために制度が利用されるように、メリットを調整する必要はあると思います。でないと、偽装縁組が激増するのは火を見るより明らか。

注:以下、「標準」と書く場合は、国民の「最頻値」が代表します。

育児・教育は、ゆりかごから高校まで実質的に無償化してしまえばいいと思います。「実質的に」というのは、標準的な教育を実現する費用を国から直接学校に公立私立に生徒数相応の額を交付し、標準以上の教育は各生徒が個別に私立の学費の割高な部分や塾の費用を負担する自助努力とする形です*3。子どもを集めてがっぽりとか、そういうことを防ぐ意味で人数に応じた家庭への給付はなるべく少ない方が良いかと。
同様に、介護の費用なども、ソーシャルワーカーを介した実働での支給とか、そういう形をなるべくとるべきでしょう。

年金(仮)保険は、主たる家計維持者と副たる家計維持者が全員分を負担し、額面を基礎的なもののみとする。これで基礎(年金)保険によるベーシック・インカム*4とかなんとかこうとかを構成し、若年と老年および障害者の受給資格者に支給する。会社ごととか任意とかの上積みの分は戸別じゃなくて個別の名義です。人災・火災の保険もある程度基礎的保険からカバーしたらいいと思う。飲食店は更に個別に任意で入る感じ。
これは、社会全体で共有できるリスク*5を共有しつつ、年金を国家が成長することで還付される基金という位置づけにもってくイメージです。

遺産相続は、この家族内でできるだけ完結するってことにすると、それが最大のメリットになるでしょうね。何親等とかそういう血縁は、例えば相続すべき家族構成員も同時に死亡している場合に、遺産分配が死亡者の親族に行くとか、そういう形になるイメージです。まあ、こういう制度になった段階で、遺書は生前に用意しといて当たり前というか、生前贈与優位にして親を扶養に入れるように誘導するようにすべきでしょうけど。コメントの贈与税緩和うんぬんの部分はそういう意味です。急な家族縁組を抑止する意味で、贈与税のかけ方に「血縁1親等>家族>親族」みたいな段階を設ける必要はあるでしょう。


そういうかなりもやっとした「イメージ」とか「感じ」ですので、漏ればっかりと思います。
実現するとは到底思えません。あってもいいとは思いますけど。


こういう緩い家族制度ができると、地域共同体との使い分けにおいていろいろと諸制度を整備しないといけないと思います。

なんかその辺の話が「そんなことを訊かれても (内田樹の研究室)」に書かれていた気がしますけど、消費社会は消費を活発にすることで消費財の積極的流通を促し、普及させたと思うんです。それが個人に集積される情報の量を増大させた……。最終的に生活が豊かになれば媒介する制度はなんでも良いと思うんです。

いい加減な頭で考えてますが、そういう感じですかね。僕の中では。

*1:……まあ、血縁以外での養子縁組自体が日本では割と珍しい気がしますけど。表明したがらないってのは、珍しいものにしたがっているということ

*2:それくらい住居税に対して還付のメリットを付けるってことです。ただ、別居すると契約の意味が弱まるんで、離婚にすぐつながってしまいかねないから、なんか経過措置として別居申請とかすることになるんでしょうな。

*3:同じ意味で、おいしいおまんま食べたり、きれいなおべべを着たりってのは自助努力ですよね

*4:無職の場合は、意味が薄くてもなんらかの拘束時間を持つ労働を課すべきだと思う。ゴミ拾いとかでもいいし、炊き出しでもいいし

*5:例えば、子どもを産んだ時に障害者が産まれるリスクを分散して担保し、個々の家庭で産みやすくする、という意図です。