塩野七生『ローマ人の物語ーキリストの勝利』新潮文庫/読書感想
ローマの終焉が近づいてきて、目に見えて塩野さんのテンションが下がってきている『ローマ人の物語』。
まずサブタイトルが気になります。
「キリストの勝利」
……キリストが勝ったわけではなく、後世の「キリスト教」が勝ったんだと思うんだけど……。
ユリアヌスにはそれなりに感情が入っていって描写に勢いが出たけれども、それも長くは続かなかった。
……ユリアヌスは、惜しかったなぁ。
生真面目だったんだろうなぁ。
もっとカエサルくらい性格が緩く、現実的だったら、もっとマイルドなキリスト教とか生まれてたかもな。
……それはそれで色々と派閥の争いになるか……。
しかし、裸像がダメってことになって、壊されていったのがつくづく残念だ。
……創世記としては、智慧の実を食べて裸身の罪に気付いた、というのがあるからなぁ。
あと、蛮族との差別化、っていう意識もあるんだろう。
なぜキリスト教が流行ったのか、っていうのは気になるよなぁ。
優遇税制だけではないと思うんだが……。
やはり衰退傾向というのが心理的に縋るものを求めていたのかなぁ。
……いかん。知識が弱まってる。
うーん。なんかこう、昔も多神教と王権についての関係はいろいろ考えた気がするのに……。
王権神授説でなくても……結局、民衆が認めるものをどういう形で権威に変換するか、というシステムの問題なんだよな。
多神教においても何かしらの共有概念を介して権威を委託する……。
議会制もそうだよな……。
うーん、思考が生ぬるい。
俺のテンションも下がってんのかな……。
次あたりが最後か……。
ローマの終焉……。人によって見方はいろいろなんだろうなぁ。
キリスト教徒にとってはどういう意味を持っているんだろう?
なんか有名な歴史書でも読んでみたいなぁ。