パーダ『魔道』WEB漫画/漫画感想

「魔道」っていうWeb漫画が面白くて、昨日一気読みした。

アイディアの感じと、全体の雰囲気で作者なんとなく年近いだろうな~と思ってたら1個しか違わんかったw

魔力を使える者が稀に生まれてくる世界。

多くの魔法使いの中でも特に大きな魔力を使い、魔物を退け人の住む世界を広げる強力な者は「魔導士」と呼ばれ、畏怖の対象となっている。

そんな魔道士の一人、ラミート国の第五魔導士ブラウンが荒野を魔道によるホバーで進んでいる場面から物語は始まる。彼は探しているのだ、近日生まれると予言された国に災いをもたらすという少女を。

……というわけで、その予言の少女リントと魔導士ブラウン、そして魔力が普通の魔法使いメッシュを中心に話は進みます。

この作品の面白い所は、多くの利害関係の中で主人公達が成長していくことですね。

魔道士は魔物に対抗する強力な戦力ですが、同時に強力すぎて人々の畏怖の対象となっています。

特に、主人公の一人・リントが持つ力は、その特性のために人々に忌避されるものです。その忌避の中で多くの時間を悩む事になります。多くの人物の悩みがストーリーの中で自然と、しかし解決し難い悩みを抱き、それでも絶対の意志を持って前に進んで行きます。

そういうキャラクターの魅力が第1にありますかね。

あと、戦闘も面白いです。

魔法使いはそれぞれに戦闘における決め手となる必殺技を有しています。その出し所をさぐりつつ、戦う駆け引き、しかも、第三者も独自に考えながら動いていますし、無理がないです。

……まあ、魔法使いの火力が図抜けすぎてて、一般兵が空気なのはご愛嬌ですかね。

難しいですよねー。あと、やっぱ図抜けた力ってのは作劇上の魅力ですから。

何よりラストが良かったな。まさかそう来るとは。これ、結構普通の漫画誌なら勇気が必要なことと思いますけど、でも楽屋裏話を読んで納得しました。WEB漫画だからできたことなのかな、って。

うん、そうだなー。

まあ、最後女性の側に選ぶ瞬間があっても良かったというか、置いてかれる側にもちょっとそれで大丈夫ってところを見せて欲しかったですね。でないとやっぱり置いてかれた側は去った者達を犠牲にしてしまった、という意識をもってしまいますし……。

……うーん。ま、とにかくおすすめできます。楽しいですよ。

これを原作としてガンガンWINGに掲載されたものがあるようです。ちょっとチェックしてみたいな。

いいねー、いいねー。

ただ、竜が人間を餌にしていたーなんて話など、ちょっと重たい表現もありますので、苦手な方はご注意ください。僕も似たようなこと考えるタチなんで平気でしたけどー。