石田衣良『1ポンドの悲しみ』集英社文庫
初めて読んだ石田衣良作品です。
平凡なようで、幸福な恋愛像という夢を描く。
あとがきで女性から取材した話を脚色して書いていると語ってあったけれど、これは聞き上手が聞いた話をうまく物語に落とし込むそのままの上手さなんだろう。
うまいなー、もてるだろうなー、と思いました。
うまく読者の需要に応えるなぁ。
この感覚は、広告代理店としてオイシイだろうなぁ。
俺にはそんな感覚はない。
俺は全力で俺のう○こを投げつけるタイプ。まさに外道。
つまり、作家のエゴがないんだよな。そういう意味でピュア。
そこが物足りない、って面はあるだろう。
ただ、作家のエゴがないとして、じゃあここにあるのはなんだろう?と考えてみると、そこにあるのは読者のエゴなんだな。つまり読者が見たい幻想がある。
うっはー、そげぶ。
じゃなくて、自分のエゴを形にして見せられるのが嫌な人もいるんだよ。そういう人には合わないだろうなー。
「スローガール」とか特にそうなんだけれど、短編だからこそキレイに書ける、という所はあると思うんだ。
良い所だけを切り取って、他を捨ててしまえる残酷さ。
そこがアンチがいる所以なんだろうな。
でも、そういう良いところだけを見ようとする人には、好いんだろう。
俺にはダメ。
はははwwwF○ck!snegって何度思ったことか。
本当に上手く夢を見せる人だ。
これは『娼年』がどんな作品になっているかすっげー気になるぜ。
でも、読みやすくて良い作品だから、ケータイ小説とか好きな人にはぜひオススメしたい。
これが俺に合わない理由は、俺がう○こだからです。ホント、サーセン。