海沿いの町/夢日記

図書館を歩いていると、子供にスクランの播磨が絵本を手渡していた。

俺は、出入り口から図書館を出て坂道を下っていく。

今、潮が引いていく。

列車が動き始める時間だ。

砂浜に敷かれたレールは満潮時に水没する。

バラストは撒かれるのではなく固着されている。線路は防錆処理が施されており、特殊。

工学の結晶だ。

その技術の粋を横目に見ながら俺は海岸沿いの曲がり道をアップ&ダウンする。

まもなく、原発が見えてきた。

金網のゲートをパスカードで通過し、社員寮へ入っていく。

ロータリーの方が騒がしい。確か今日は……。

金属製のドアから同僚が出てきた。金髪を短く角刈りにしたごつい男は、軍属の工兵だ。

「よう」

「ああ」

簡単な挨拶。俺の方だけ一言を付け加える。

「今日は夏祭りだったか」

「ああ、そうらしい。今から行くんだろ?」

「もちろん。地元の協力のために必要な対価だろう」

背後の青い瞳の同僚に向けて右手で書籍を振る。

「何の本だ?」

見上げると別の同僚がいた。肩にかかりそうな長髪がわずかに湿っている。シャワーを使っていたのか。だとすると、書籍にあまり触れて欲しくない。

「小説だよ」俺はゆったりとした動きながらもきっぱりと本を取り返す。

「ふうん」銜えタバコのそいつは本への興味を失ったようだ。

「身支度か?」俺は質問を返した。

「ああ、意外か?」切れ長の目で見下ろしてくる。上がった口角は笑みではなく不機嫌を意味していた。

「そんななりだが、そういう配慮はあるもんなんだな、と思ってな」俺はへそまで視線を落としてからまた戻す。細かな傷がそこかしこに見つかる白い肌は首にかけたタオルの部分しか隠れていない。

「見せて減るなら隠すがな。こんな貧相ではここでは誰の興味も引かん」そう言って彼女は奥へと戻っていった。

スレンダーな身体は充実した筋肉によって引き締まって均整を保っているが、表層数十ミリだけが女らしい滑らかさを持っている。それは十分に魅力的だろうに、と思った。

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貧乳は無関係だとしても背が高い上に攻撃的性格ってのは俺のストライクゾーンから外れてますけどね。

ストライクゾーンに入ってたらもっとエロい展開になってたろうし。

そしたらここにも載っていない。