steake of hardd-live/wOndeRers

足りない考えを足していく。

レーザーで焼き込むように。

こめかみから右手のトリガーを引いて発射する。

焼き込むたびにディスクを送る。

螺旋を描く七色の未確認飛行物体が脳髄から飛翔して脊髄を巻き立てる。

閉じないディスク――半分だけ割れたディスクが脳裏を回る。

円盤の閉じない断面の直線は、鉈を思わせる鋭さ。

ガリガリと鋭く食い込み、前頭葉を抉っていく。

脳肉はその俎上から円盤へと流されていく。コンベアのように。

肉の周りで円盤が光を反射する。

思い出すハートが左手で走査するレコード。

ギラギラと反射するメモリィ。

ドクドクと動揺する心臓。

すべての今の認識は死せる肉塊のごとく流されて記憶になる。

記憶をハートが感じ取り、フレッシュな感情を表現する。

手足のすみずみまで反射して情動が揺らめく。

その記憶の反射光が優しい色合いなら。

もっと見られるものならば、見せても迷いはあるまいに。

たが、実にそれは、肉の色、粘性の高い赤い色、刃に移る膏の色。

牙を誘う色、涎を誘う色。

屠って、骨を残してしまえと、誘う艶。

この色はなんだろう?

弱さの色。べたりと、だれた色。

反射率の高さで円盤は温まらず、冷たく肉を陳列する。

陽射しを、もっと陽射しを!

杭のように突き刺さる。

悔いのように突き刺さる。

焼いて、焦がして、味を付ける。

胡椒は?生焼けでも誤魔化せよう!

塩しか?塩づけて誤魔化してしまえ!

香木を!煙に巻いて誤魔化すしかない!

どんな味でもこのステーキは食い尽くさねばならぬ。

過去はすべて肉にならなくてはならぬ。

焼け焦げて、変わり果てたそれを食らって再起せねばならぬ。

肉が焦げてうっすらと黒味を帯びたディスク。

まるでハードな。

そういう意識が旋盤のように回転し続ける。

足りない。

ぜんぜん足りない。

レーザーを発射するために右のこめかみでトリガーを引き続ける。

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