千里眼 運命の暗示 簡易感想/読書感想

この巻は面白かった。

というか、まるっきり『ミドリの猿』の下巻だな。

いっそのこと、タイトルを統一して上下巻として売り出した方がわかりやすかったのではなかったか。

この巻はハッタリが利いたラストが面白かった。

映画とかでこんなラストだったらぽかーんってなるだろうけど。

どうせだったらテレビのヘリからの中継で、テレビの前でひっくり返る人とかいても面白かったかも。

それにしても、美由紀は無敵だな。まったく読んでて危なげがないぜ。ていうか、嵯峨も蒲生も撃たれたのにピンピンしてるし。

相変わらず美由紀の不完全さは取って付けたみたいで、情緒不安定なだけに見える。すぐ泣くし。

あれが博愛つーのは納得いかねぇなぁ。自分を拳や銃や兵器の扱いにおいてミスのない人間と過信してるだけじゃん。あれを博愛と取る感覚は、人間はミスをするもの、と教わった工学畑の人間にはすっごい違和感ある。

松岡作品に足りないものがあるとすると、それは笑いかな。

なんとなくシニカルな感じが拭えない。

それが登場人物の余裕のなさにつながっているようで、ちょっと気詰まりかもしれない。

そんだけ。