ミチオ・カク著、斉藤隆央訳『パラレルワールド』NHK出版/読書感想

ようやく2007年06月10日に買ったこの本を読み終わりました。

最前線に立つ物理学者が丁寧に現代物理学の経過と現況、そしてその関心の向かう先を描き出しています。

たとえに映画やドラマの話を持ち出したりしていてわかりやすいですし、また、ワームホール、タイムトラベル、異世界や並行世界への転移の可能性についての現代物理学の捉え方も書かれていて、SFに興味がある方、必見の書。

ところで、ひも理論の発展系となるであろうM理論というのは楕円方程式との関連が簡単に触れられていた。S・シンの『フェルマーの最終定理』を読んだ身としてはあのモジュラ形式(これらのイメージもやたらと空間のねじれというかなんかそんなものに似ていて)やらなんたらの最新の数学理論と絡んでいそう、ってのはとても刺激的で愉快だ。ワイルズの『モジュラー楕円曲線フェルマーの最終定理』が提出されたのが1994年だから、たぶん間違いないだろう。

っていうか、モジュラが幾何学的な対象性?を扱っているから、対象性が重要な要素となっている現代物理とは相性がいい……というよりも、数学的必然なんだろうと思う。

楕円方程式の式の違いが宇宙の法則の違いであるとか、そういう結論が導かれたりするのだろうか?興味深い。

さて、また頭から読み直すか……。←長い時間をかけすぎていてむしろ忘れた部分が多いorz