夏目漱石『吾輩は猫である』/読書感想

面白かった。

実業家をこきおろしたり、文明批判をしたりしつつ、そういう自分たち文化人自身も猫の視点で滑稽に描いている。

それにしても、最終第十一回はすごい怪気炎があがっていて面白かった。

結婚しなくなるという話や、自ら死を選ぶ権利の可能性について話が及んで、そして最後は念仏ですからねぇ。

現代に通じる部分もあるというよりも、なにか変化が起ころうとしている時というのはそういう関係の異変が起こるものなのかもしれません。

全編を通じて漢文、英文への素養の高さが現れていて、これはなかなか真似できないものがあると思います。

こんな博学な猫に僕もなりたかったなぁ。