あれよあれよとキャンプイン/Hawks

なんか、まあ、オフ以降すっかりホークスの話題から遠ざかっておりました。

最下位のショックは大きいわ……。

オフの間に小久保が去年体の切れがなかなか戻らなくて夏場から試合後の筋トレをやめたって話を目にしました。なるほどね。スイングがイメージと合っていなかったから球が見えていないようなスイングになっていたのかもしれません。どっちにしろ、ヤバイですけど。

今年期待する選手は、ヤクルトに移籍した吉本ですかね。

見返して欲しいです。

ホークスでは……秋山監督でしょうか。

本来寡黙な秋山さんが今はチームを明るくしよう風通しを良くしようと頑張っていらっしゃいます。

……うん、去年のベンチの雰囲気どんだけだったんだ、という話ですけどね。

選手で期待するのはやはり投手では岩嵜、野手では小斉ですかね。

彼らが活躍すれば最下位からの逆襲はありえます。

井手や辻や城所はもう期待される選手ではなくそろそろ活躍しないといけません。

大場はどうかな……大隣とは活躍しなかった事情が違いますから、彼がなにか新しい境地にならないと厳しいかもしれません。

捕手は期待と言うより熱望ですね……誰でもいいんで覚醒してくれ。

さて、前置きが長くなりましたがここからも長いです。

今日は去年せっせ取ったデータを元に去年の捕手投手の振り返りをお送りします。

っていうか、去年シーズン終了直後に作り始めたんですが、もうどーでもよくなって途中で放り出してたんですよね。それをちょっとブラッシュしただけです。すいません。

では以下格納。

名前 先発数 チーム防御率 イニング 失点 自責点 勝ち負け分けセーブホールド

高谷 56試合 3.84(4.31) 501回2/3 240点 214点 22勝30敗2分22H11S

山崎 38試合 4.52(4.69) 324回1/3 169点 163点 21勝17敗1分18H18S

的山 30試合 3.74(4.26) 259回2/3 123点 108点 11勝17敗0分11H 4S

田上 18試合 4.07(4.45) 188回  93点 85点 10勝11敗0分 5H 2S

的場  2試合 6.14(6.55)  22回  16点 15点  0勝 2敗0分 1H 0S

合計 144試合 4.06(4.45) 1295回3/2 641点 585点 64勝77敗3分57H27S

まず、注意いただきたいのは、ここには特に先発出場数を書いています。

そして、勝ち負けは先発マスクした試合の勝敗ではなく、マスクを被って受けた投手に付いた勝ち負けです。

一番防御率が良かったのは的山ですが…いまいち勝ちに繋がっていないんですよね。

山崎と田上を比べていただけるとわかりやすいのですが、打力で期待される田上は代打などで途中出場する割合が多いので接戦で代打して自分に勝ちがつくパターンが多いです。なので、先発数を勝敗の和が上回っています。

逆に、僅差や劣勢またはイーブンでも逆転のために山崎には代打が出されることが多かったのです。が、それでも最も多くセーブを挙げたのは山崎でした。比率的にはホールドも多いです。

実際、先発と中継ぎ・抑えとで別々に防御率を出すと、こうなる。

名前 先発      中継ぎ抑え

高谷 3.98(366回2/3) 5.20(135回)

山崎 4.59(237回  ) 4.95( 87回1/3)

的山 4.14(198回  ) 4.67( 61回2/3)

田上 4.24(123回  ) 4.85( 65回)

ここでも的山は成績がいいのですが……なんでセーブに繋がらなかったかな?

先発で良い成績の高谷は中継ぎ・抑えとの相性が最悪。馬原が復帰してこの惨状です。

しかし、これは中継ぎが疲れている終盤という事情も汲むべきかもしれません。久米も前半は調子良かったですよね?

前半を中心に受けた的山は4.67、田上も4.85です。

基本的に疲れが少ない前半は打者に対して投手が有利なのはずですし、的山、田上の成績は割り引いてみるべきかもしれません。

防御率が悪いのに貯金やホールド・セーブを挙げている山崎は慎重に勝てるところは勝った、ということでしょう。通算成績の悪さは打ち込まれる時は徹底的にやられたというのが大きいかもしれません(後述)。

名前 打者(球/者) 球数(1試合当量) 失策 被本塁 

高谷 2136(3.93) 8389(151) 31(0.56)  47(0.84)

山崎 1405(3.97) 5583(155) 14(0.39)  33(0.92)

的山 1111(3.91) 4343(151) 24(0.83)  21(0.73)

田上  797(4.03) 3209(154) 11(0.53)  21(1.01)

的場  103(4.08)  420(172)  1(0.41)  5(2.05)  

合計 5552(3.95) 21944(152) 81(0.56) 127(0.88)

データと実際の試合を見た感じから言って、先発は球数を少なく、勝負を早めにした方がいい結果が出るようです。

逆に、中継ぎは慎重すぎるぐらいがちょうどいい。

的山は外角偏重のリードによって被本塁打は少ないですが、何が原因かチームの失策が多い。

名前 チーム盗塁阻止率(補殺数/企図数) 試合当企図数

高谷 .338(24/ 71)1.27

山崎 .393(11/ 28)0.78

的山 .179( 5/ 28)0.97

田上 .190( 4/ 21)1.01

的場 .200( 1/ 5)2.05

合計 .294(45/153)1.06

注意していただきたいのは、チーム盗塁阻止であることです。

各種ネットの情報源では盗塁死でしか数えられなかったので、投手からの送球による牽制死と捕手からの送球による盗塁死の区別ができませんでした。しかし、そもそも牽制死自体が少ないのでこれで事足りると思います。

杉内と組んでいる時に牽制死を3つくらい稼いでもらった山崎の盗塁阻止率が4割近くなっているくらいですかね。まあ、それを抜いたとしても山崎の盗塁阻止率は高谷と同じくらい高いです。

高谷の問題は1試合当りの盗塁企図数の多さです。肩の強さは見せ付けたのですが、三盗や重盗も許していましたし投げられないシーンもありました。どんなに良い肩でも6割は盗まれてしまうのですから敵に盗塁を企図させない気配りが今後の課題でしょう。

山崎は企図させず、成功させずと良い年でした。さして肩が強いとは言えない中、よく頑張ったと思います。

的山・田上・的場ははっきりザルでした。こいつらがいなかったらチーム全体でも余裕の3割越えっつーのに……。

的山・田上の例から言って、やはり捕手は膝を痛めると厳しいと思います。

続いて投手別に見ていきましょうか。

■杉内

年間成績 25試合 196回 防御率2.66(2.89) 10勝8敗

10勝8敗という成績が信じられないほど良い防御率で「隔年エース」という不名誉な称号を見事返上した。

平均イニングは7.84と8回に迫り、5回2失点以下が18試合、7回2失点以下が15試合と先発の役割を立派に果たしている。さすがエース。

7回2失点を15試合記録して10勝に留まるというのは打線の責任が問われると言えましょう。さすが最下位。

完投7試合、完封1試合という数字は意外に少ないが、延長に入った試合が2試合あるのも考慮する必要ありだと思います。

月別成績

4月 6試合 42回2/3 防御率4.33(4.64) 1勝3敗

5月 5試合 42回   防御率0.86(同左) 4勝

6月 3試合 27回1/3 防御率1.65(同左) 1勝1敗

7月 4試合 30回   防御率3.30(同左) 3勝1敗

8月 1試合  9回   防御率2.00(3.00) 勝敗なし

9月 6試合 45回   防御率3.00(3.60) 1勝3敗

捕手別成績

田上  2試合 防御率4.91(同左) 勝敗無し

山崎  4試合 防御率4.32(同左) 2勝1敗

的山 11試合 防御率2.01(2.12) 4勝4敗

高谷 10試合 防御率2.77(3.23) 4勝3敗

一見して分かるとおり3・4月と5月以降の成績にかなりの差がある。

この4月の不調期しか組んでいない山崎と田上の成績がひどいのはもちろん、通算では良い成績となった的山も4月に2試合を組んで8回3失点・8回5失点という結果になっている。

これは捕手との相性の問題ではなく、シーズン序盤の杉内の投げ急ぎに原因があったと見るべき。5月2日以降は王監督からの「投げ急いでいる。もっとゆったりと投げたほうがいい」というアドバイスに従ってからは'07年に近いゆったりとしたフォームで良い投球を見せてくれた。

5月2日以降、的山が受けた5月・6月、高谷が受けた7月~9月の成績は見事。

ちなみに、杉内が投げている間のチーム失策は15で一試合当たり0.69という数字は和田0.28や大隣0.35と比べるとエースとしては奇妙な数字に思える。

■大隣

年間成績 22試合 155回2/3 防御率3.12(3.35) 11勝8敗

6回2失点以下が14試合、7回2失点以下が9試合、完投6試合(内完封2)と長いイニングを投げて勝ち頭に。

しかし、球数120球以上の試合が10試合と登板試合の半分近くに及んだのが、9月ひじ痛での離脱の要因となったかもしれない。

月別成績

4月 6試合 45回   防御率2.80(3.00) 2勝4敗

5月 4試合 27回   防御率4.67(同左) 3勝1敗

6月 4試合 28回   防御率3.21(3.54) 2勝

7月 4試合 25回   防御率2.88(3.60) 2勝2敗

8月 4試合 30回2/3 防御率2.35(2.35) 2勝1敗

9月 登板なし

捕手別成績

田上 5試合 39回  防御率2.31(2.54)

的山 2試合 12回  防御率6.75(同左)

山崎 9試合 54回   防御率3.83(4.33)

高谷 7試合 50回1/3 防御率2.13(2.13)

4月に受けたのは田上であるが、1失点完投→完封と最高の滑り出しを見せたものの、その後は8回4失点→8回2失点→5回4失点と徐々に調子を落としていった。

先発マスクを山崎に替えた4月30日にも6回4失点。的山に替えても5月6日に7回4失点、5月16日に6回6失点と不調は続いたが、結局は山崎がマスクをかぶった5月23日に7回2/3を2失点と好投して不調を脱した。以後はあの大型連敗で打ち込まれるまで山崎が専属マスクとなり、それ以降は高谷と組んで8月のホークスを支える好投を見せてくれた。

これの好不調の波は、大卒選手特有の大学リーグの調整癖が出たもの考えられる。

つまり、春季リーグがある3月末・4月初旬に調子のピークが来て、そこから一旦落ちていき、また夏場の夏季リーグへと調子が上がっていくというペースである。

5月中旬からの好調は投手コーチとの調整の試行錯誤の結果、プロのローテーションに慣れることができた結果だろう。

今季も活躍が期待される。

■和田

年間成績 23試合 162回 防御率3.61(同左) 8勝8敗

良い日と悪い日の差が大きいシーズンだった。

5回2失点以下が15試合、6回2失点以下が14試合ながら7回2失点以下が9試合に留まるというデータに現れているように、調子が良くても7回に追加点を許すケースが非常に多く、中継ぎに不安があった今シーズンは安定して成績を収めることが難しかったように思う。

月別成績

4月 4試合 27回   防御率4.00(同左) 2勝

5月 4試合 26回1/3 防御率3.08(同左) 3勝1敗

6月 5試合 30回1/3 防御率5.04(同左) 2勝2敗

7月 4試合 33回   防御率3.00(同左) 3勝1敗

8月 1試合 10回   防御率0.00(同左) 勝敗なし

9月 5試合 35回1/3 防御率4.08(同左) 4敗

4月は手術明けからの復帰ということで投球が安定しなかったが、日程に余裕があった交流戦期間中にうまく調整してだいぶ調子を取り戻した。

6月がびっくりするほど悪いが、これは対楽天戦での4回10失点の大乱調(この試合は中継で見ていたが初回からひどい調子だった)が含まれているからであり、この1試合を除くと6月は4試合を7失点で防御率2.39という好成績となる。

この大乱調の試合を受けた山崎は9月の大乱調ともぶちあたり、結局和田と組んでの防御率は14試合で4.72と最悪。5月・6月に見せた相性の良さは何だったのか……orz

一方、7月以降に受けた高谷の防御率は9試合と2.00と嘘のような絶好調。

高谷の分まで悪い日に当たったような形になる山崎は不運だったと見ることもできるが……それは贔屓がすぎるというものだろう。

悪い日の和田を高谷がどうリードするのかも見ておきたかったところだ。

■新垣

年間成績 15試合 92回2/3 防御率4.18(5.34) 4勝6敗

昨季の先発陣で一番の誤算だった男。

暴投15と去年の悪癖そのままという状態だった。

が、そんな悪印象とは裏腹に5回2失点以下が8試合、7回2失点以下が6試合もあり、結構試合は作っていたようだ。うーん…中継ぎをうまく使えていたら……。

8月28日の先発以降、腕の振りを元に戻し、スライダー中心の投球に回帰していくらか見られるようになった。しかし、スライダーの切れがその日の調子のすべてで、制球は二の次という不安定な投手という印象は拭いきれず。

月別成績

4月 3試合 19回1/3 防御率4.66(5.59) 2敗  1暴投

5月 1試合  4回1/3 防御率8.31(同左)     2暴投

6月 2試合 10回2/3 防御率4.22(同左)     3暴投

7月 2軍で調整

8月 3試合 20回   防御率3.15(7.20) 1勝2敗 6暴投

9月 6試合 38回1/3 防御率3.99(4.23) 3勝2敗 3暴投

とにかく2軍調整してもぜんぜん成績が良くならなかった昨季(っていうか、ぜんぜん修正されてないのに上げる首脳陣も大概だが)。

6月の2試合も新垣らしさはまったくなく再び2軍落ち。

結局、8月にフォームを戻して良い悪いが交互に出るようになっただけである。

とにかく悪い時は投球のテンポが悪いので野手が守りづらいのか、失点と自責点の差が大きい。失点自責点の差12(=55-43)はチーム内最大である。

捕手別に見ても、

4月に組んだ田上が3試合4.66(5.59)暴投1、

5月に組んだ的場が1試合4回1/3で4失点暴投2、

6月に組んだ的山が2試合4.22(同左)暴投3、

8月上旬と9月末と10月で4試合組んだ高谷が2.51(5.34)暴投5、

8月中旬~9月中旬に組んだ山崎が5試合4.85(5.16)暴投4

……と大暴れ。暴投への対処は山崎が一番マシらしく、思い切り腕を振るためには山崎がベターな選択という判断になるだろう。

こっからはもういいかな……ホールトンは抑え→先発と変わって通年で出す意味があまり無いし(それくらい抑えと先発は違う)ガトームソンはもういないし、中継ぎはイニング少ないから難しいし、大場は分析以前に実力不足だし……面白いところだけピックアップしましょうか。

例えば、通年で防御率4.11と微妙な三瀬。

高谷と組むと16回1/3で1.65

山崎と組むと7回で9.00

三瀬は積極的に攻めたほうがいい成績を残しそうです。

あとは久米について触れないといけないですかね。

久米は4月が33試合中13試合、5月が24試合中10試合、6月18試合中7試合と、前半戦75試合で30試合登板と50試合登板を余裕で超すペースといういわゆる「王監督の酷使枠」の選手でした。

サイドスローとか変則系の投手を酷使される悪癖が王監督にはありまして、まあ、耐え切ったのは鹿取氏と吉田修二氏くらいなもんですもんね。

酷使枠の選手はその後はずっと微妙な感じですから久米もどうなるか……。