旧邸宅/夢日記
*夢日記*090107.wed
山中へと立派な石段が続く。
両脇を飾る木々は葉を落とした裸木であるが、その枝ぶりは静かな気品をたたえている。
しばらくあるくと巨大な門が見えた。
ここは江戸期の貴族の邸宅を改装して造られた旅館である。
潜り戸から中に入ると、玉砂利を敷き詰めた庭に高さを揃えた梅がずらりと列を成していた。
その向こうに島がこさえてある。
その空間の贅沢な使い方に格式を感じた。
玄関から上がり、靴箱に靴を運ぶ。
女将が後からそっと口を開いた。
「時に一つご忠告がございます」
その厳かな調子に僕らは振り返る。
「時にこの旅館が気に入りすぎて、タイムスリップしてしまうお客様がおられます。みなさまもお帰りになりたければお気をつけくださいますよう……」
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最後に靴箱が出てくるのが本物を知らない証拠だよなぁ。