カオスノート/daily

イライラしている時は落書きをするに限る。

人間を描く時は輪郭線でおおよそのポーズを決めて、肉付けして、最後に服を着せるわけだけど、イライラしている時というのはだいたいそうやって絵を完成させる集中力に欠けるのでたいてい裸に目鼻に髪の毛が付いた時点で止める。目鼻と肉がつけばとりあえず人間らしく見えるからである。

今日はまあ、気力が持ったほうだったが裸ワイシャツで止まった。

いちおう、スカートも描いたけど、薄い。

いや、エロにしか見えないけど、エロい意図はない。

こういう時に無理矢理続きを書こうとすると、「えーい!やってられるかー!」とばかりに肘から先をカマキリにしたりカニにしたり、どてっ腹に穴を開けたりしてしまうのでやらないうちが花なのである。

紙とシャープペンがあるとこういうことをすぐにしたくなるから困る。

さて、そんな落書きをしていたらノートが残り4ページになっているのに気が付いた。

7月末の雨のせいで湿ってふにゃふにゃになっているこのノート、どうにも書き心地が悪いものだからこの際使い切ることを決心する。

まず1ページにバウムを描いてみる。

実はときどき気が付いたときにバウムを描くことを自らに課している。

ちなみに解釈方法は知らない。知ると率直に描けないだろうと思うからだ。

ま、解釈方法を知らなくても、描けばだいたい自分の心情など知れるものだが。

今日は、根が地面に突き立っていて、幹の底部が地面から浮いている。

枝や根が手の指にしか思えないのが俺の特徴で、根指は地面に突き立ち、枝指は空を指している。

しかし、葉っぱが付いた梢はすべて下向きに描いた。

幹に斧が噛み付いているし、その反対側は支柱で支えられている。

ちょっと疲れている。

次のページに移ったが描くことがない。

そう思ってシャーペンを滑らせているとなんとなく左腕ができて背中ができて背中に目玉がついて両足がつながって輪になってその輪に口がついて輪に足裏をくっつけて背中から頭が生えて目はうつろ左腕が伸びて(自粛)して右腕は上から回り込んで額を押さえて血みどろ、っていうのを石版の上に座らせて完成。タイトル「(自粛)」

こういう精神を疑われる絵を描いている時ってどうしてこんなに楽しんでしょうかね?

汚い絵を描くと、普通の絵が描きたくなって普通の漫画みたいな自画像を描いて中和する。

二つが並ぶと同一人の絵とはなかなか思えないと思う。

あと2ページ。

ここからは本当にめんどくさくなってくる。

黒いもやしの先に黒い丸い頭がついてたくさん並んでいるイメージが湧いたのでそのまま描く。

それらは笑っていそうなので三日月形の口を描く。

目は縫い付けられているので雑に縫っていく。

こいつらは円盤から生えている。円盤の両端から手を伸ばして空へ。

基本的にこいつらは楽しがっているのでハートマークを次から次へと立ち上らせる。

それに対して矢印を降らせてやる。

円盤が物足りないので目を書き足してやる。

<●><●><●>><<●>><

開いたり瞑ったり、たくさん。

その目の下に口や手や(自粛)を描いてやる。

あと、ちっさい体を足して腹に(自粛)をくp(ry)させる。

タイトル「社会」。

脳みそが沸いているのがよくわかる一品です。ああ、灼き殺してやりたい、俺。

最後のページは、てきとー絵でこの子の全身像を描いて終わらした。

書き終わってみてノートを振り返ってみる。

最初のほうは見当はずれにしろなにやらいろいろ考えていて、文章が多い。

図式も考察のために書かれていて多少は秩序だっている。

時々罫線を無視している日もあるけど、比較的まっとうなノートの使い方である。

後ろ半分はもう、カオス。

本を読んでとったメモと絵が半々。

しかも、基本、キモイ絵。

裸の女やおっさん。骸骨女。歯がある花。針のように尖った水仙。ミク。ケツ。回し蹴り。

なんか、こう、

なんなんだ俺はー!!?

って感じ。

でも、こういう絵ってまだ人間とかの生き物の形をとっているだけマシだな。

本当に気分悪いくらい落ち込んでいるときは、直線と曲線の積み重ねでしかないから。

概念が直線の組み合わせに分解されるというか……丸と三角の間にある区別は直線なんだけど、その直線は丸になびいてそっちに曲がってしまう。一方で三角の尖った先には静止線がないと困るような……そんな感じ。

もしかしなくてもこういう感覚ってきちっとコントロールして内面に押さえ込まないといけないものなのだろうか……。

無理ぽ。

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