贔屓球団の選手には“さん”をつけない/Hawks

敬意があろうがなかろうが“さん”は付けない。それがファンとしての親しみ。

11月です。

日常において書くことがありません。

ブロック塀の上に置かれたちょっとへこんだ空き缶は秋の高天を見て何を思っているでしょうか?

身の内に捨てられた灰の苦々しさを噛み締めているかもしれません。

そんな秋の日。

さて、ま、書くことがないなら野球の話をするっきゃないですね。

まず日本シリーズの話題からかな。

ここまで1勝1敗ですが、西武には第2戦の敗戦がかなり重たく感じられているでしょう。

なにせ打線がレギュラーシーズンとは打って変わってほとんど打てていないのですから。

僕は第1戦の上原が実は利いていたのではないかと思うのです。映像見てないですが。

というのも、上原の球威の低下は周知のものとなっていますが、それでもコントロールミスの2発を除いてはほとんど打たれませんでした。これは巨人投手陣を大いに勇気付けたと思うんですよね。

そして内角が効果ありというのも知ることができました。これはスコアラーのデータの実践的裏付けができたということに過ぎませんが、それでもやはり実地に確認できると指針として拠り所になりますから、そういう制球による攻めができる上原が第1戦の先発をしっかりとこなしたのは若い投手陣にとって勝利に等しい良い影響があったのではと思います。

それにしても第2戦を見て思ったのは、内角攻めの効き目ですね。ホークスも随分とライオンズ打線には内角攻めをしましたけど、やはりすごい効き目。もしかするとこれは「引き付ける打撃」の弱点なのかもしれないですね。

僕がシーズン中続けた王監督の「前捌きの打撃」への批判には、欠点があったと思わずにいられません。「前捌きの打撃」には内角打ちに強く、「引き付ける打撃」は外角打ちに強い、ということであり、結局のところ、その選択は打席に入る前にどちらの球を打ちに行くかという意識付けの違いでしかないのかもしれません……。1球ごとに使い分けられれば最高なのでしょうけれど、なかなかいきなり超一流にはなれませんしね。どちらを選択するかについては難しいところです……。

第2戦の岡本真也はこう言ってはなんですけど、登板したときから打たれそうでした。

あれは流れとしてしょうがないと割り切るしかないでしょう。

巨人が俄然勢いを増す形になりましたが、今日からは西武の本拠地ということで西武側も気分を切り替えてくるでしょう。

今年はがっぷり四つのとても面白いシリーズになっていると思います。注目です。

次は、沢村賞の話を。

岩隈投手おめでとうございます。

目安となる項目を全部満たしたダルビッシュにはちょっと悪印象でしょうが、パファンとしてもこの受賞は予想できました。

ダルビッシュは去年受賞しましたし、今年も項目を満たしています。来年以降も毎年候補として有力な投手でありつづけるでしょう。そういう高いレベルだと認識されています。

さて、岩隈はどうでしょうか?

ここ数年は怪我に泣かされ、五輪でも「体が弱い」というイメージを払拭できずに召集されませんでした。特に五輪に召集されなかったのは本人も相当プライドを傷つけられたと思います。

それが終わってみれば200イニング越えのキャリアハイ。そして野球界に久しくなかった21勝を挙げ、最高勝率と最優秀防御率を受賞。三振は取れませんでしたが被本塁打わずかに3とは、まあ、何かしらの特別な賞を上げたくなります。

それに、来年はできないかもしれない。もう2度とチャンスはないかもしれない。でも、1度は上げておきたい。そういう活躍をしている投手だと思います。岩隈は。

同時受賞でも良かったと思いますが……楽天を応援する意味でも岩隈個人を応援する意味でも、今年は単独受賞で良かった、と思います。

沢村賞ってそういうちょっと情の篭った賞だと思います。

なんていうか、「沢村栄治がそうであったように、野球界を引っ張っていく投手として頑張れ!」みたいな意味がありますよね。最近は。

そういう意味で最近のセ・リーグは04年の川上以降ぜんぜん候補すらあがらないんですよね。その川上もほとんど目安を満たしていなかったし。阪神に代表されるように、投手が打順に入っている以上戦術的に分業制が有利なんでしょうけど、完投力のある力のある投手が減ってきているのも事実。セ・リーグがんばれ!

最後は、ホークスの話題。

まず大村と村松のトレードね。

これは正直驚いた。

けど、納得した。なるほど、それなら八方丸く収まる。

大村は、うーん、いなくなってみるとかなり悪し様に書いてしまったかなと後悔する部分があるけど、やはりホークスにとって扱いづらい選手になっていましたから。

ひとつは人間関係。昨年の契約交渉でかなり揉めたし、冗談のつもりだったろうけど首脳陣批判もしただろうし、ちょっと本人としては本意でないとしても悪い空気を持っていたと思います。辻が覚醒したのは大村さんのお蔭だけど、やはりチームの核が松中である以上は置いておくのは難しい。

ふたつは起用上の問題。大村さんは1番で自由に打つのが好き。先発出場を続ければあと300本程度を残すのみの2000本安打の達成はほぼ確実。けど、ホークスとしては若い本多の成長に期待している面があって、生え抜きの若手であることもあって1番で育てたいという意向がある。現状の本多は四球数が少なく出塁率が低いのが1番として物足りないが、出塁率が高くないのは大村も同じ。むしろ大村は足に不安があり、もともと盗塁も得意でない分、1番に置く理由はない。2番は大村さんが向いていないし、川崎がいろいろできて向いているので川崎。僕は個人的には大村さんを強いて置くなら3番か9番と思うけど、それは大村さんの本意ではないでしょう。

それから、外野手としても足に不安があってセンターを守ることが難しくなりつつある。さりとてホークスの左翼は時々松中を起用したいポジション。となると空いているのはライトしかなくなるが、肩と経験の面で大村には難しい。また、どのポジションで起用しても足の不安から守備固めが必要となる。

こうなると期待の若手も出てきているし、大村不要論が出てきてもおかしくはなかった。

そこでオリックスの登場。バファローズの名を継ぐ(継ぎたい。継いでバファローズファンをオリックスファンに取り込みたい)チームとしてバファローズで活躍した大村の2000本安打達成には協力を惜しまないと考えられるし、実際ポジション的にもローズの年齢からDH出場は増えると考えられるし、若手センター坂本のいい手本になりそうし、とメリットは多い。大石監督ら旧バファローズの関係者が首脳陣に多く、気心がしれているというのも大村にはプラスでしょう。

ホークスとしては、「ホークスの血を濃くする」という発言(これは大村があくまで外様と扱われていたことの裏返しと思います。僕としてはいただけない発言と思っています)……ではなく、もっと違うメリットがあります。

まず、コーチ候補としての利点。新井コーチの薫陶を得て打撃覚醒した選手ですし、粘り強い打撃があります。守備には定評がありますし、盗塁王の経験もありますし、一家言あるでしょう。温厚で面倒見がよくコーチ向きと思います。城所とかは、肩が強いこと以外は意外と村松と似通っているのではないかと思うので、これをきっかけに覚醒しないかなぁ。

次に守備固めとしての利点。外野手の若手はいずれもまだまだ守備に不安あり。守備固めとして、また、代打起用にも堪える村松は駒として有意でしょう。村松が後ろに控えることで守備固めの意味で後ろに置かざるを得ない部分も多かった辻を先発起用しやすくなると思います。こういう起用は2000本を控えた大村さんじゃできないですもんね。

そういうトレードだったと思います。

長くなってきました。

最後はドラフト。投手6人外野手1人と育成枠で投手3人と捕手2人の指名。

投手ばっかり獲ったのは意外だったかな。今年のドラフトは不作らしいので、野球センスが一番高い投手を獲るというのは野手転向も視野に十分に意味がある……とかそういうことなのか?

即戦力クラスあるいは準即戦力クラスと目されるのは巽、摂津、金の三人かな。誰か一人でも使える目処が立ってくれるとうれしい。ほかは素材としての獲得でしょう。

獲得を予想していた捕手は育成枠の2人のみ。堂上は毎年ドラフト候補といわれながら指名見送りを続けてきたので何かしら決定的な欠点があるんだろうなぁ。それを修正できるか見極めるという意味で育成枠なのでしょう。……うーん。

7名獲ったので支配下選手登録の枠は全部埋まったということになります。

てことは、日本シリーズ終了までに追加で投手2名ほど、野手2名ほどの戦力外通告の追加が行われそうです。秋季キャンプA組とキャンプ免除組は安全圏でしょう。ここに本間が含まれているのはちょっと納得いかないですけど、トライアウトが見込まれるなら体を動かしていないと危ないですから。危ないのはB組連中。投手補強はたぶん外国人一人とかそういう感じなので一人かも。山村、星野、川頭あたりかな。西山はまだチャンスあると思うんだよね。捕手の枠は的山の枠がまだ空いているから的場の可能性は低いか?むしろ加藤は捕手として計算されているか怪しいので危ないかも。野手の外国人の枠はレストビッチの穴でまだ埋まっていないと考えると、ドラフトで1人獲った外野手の一枠が危ない。とはいえ層が薄い部分でもあるので、吉川か吉本か。うーん……若手に関しては練習態度が一番重要な要素になるから予測が難しい面があるけどねぇ。どうだろう?

あと要素としては柴原のFA残留交渉があるから発表が延びているんだろうなぁ、って気がする。

あ、最後と書いたのに最後にならなくなってきてるけど、FAでは注目のロッテ・橋本が残留決定。逆に相川はメジャーを視野に入れたFAとのこと。相川のFAはメジャー失敗しても横浜に再獲得の意思はないようなので、失敗の場合はソフトバンクという計算があってのことかもと邪推してしまう……。それもこれも追加の戦力外通告の数で読めてきそう。

秋季キャンプではいろいろ奇妙な取り組みをしていてちょっと不安な面もありつつ、奇妙な取り組み以外の部分で例年以上の厳しい練習をしているようなのでまあ、ある程度期待してはいます。秋山監督は口下手だからこそ自分で実践して選手を奮起させている節がある。それが好結果につながることを期待。

森福のサイド挑戦は好材料だと思うし、田上の存在感とか、井手への注目度だとか、いい感じだと思う。

何よりキャンプの雰囲気が明るそうなのがやっぱり安心するところかなぁ。

(追記)

とかなんとか書いてアップしたら戦力外情報でてやんの。虫の知らせか。

投手は星野、山村、竹岡、大西、川頭の4人。捕手は加藤、野手は吉本でした。

……吉本……(つд`)

どっかに拾われるだろうなぁ。日ハムとかどうだろうか?

若い大西については上記の通り、読めない部分はあるけど…2軍でも使われてなかったし驚きは少ない。

予想外は竹岡。A組だし、てっきりトレード要員かと……つーか、トレードの目処が立たなかったのか……!?

星野は引退試合してあげたいけどキャンプでも頑張っていたし現役希望なんだろう。

王前監督が気に入ってた選手に簡単に現役をあきらめる選手はいないってことでしょうね。

てか思っていた以上に多い。多すぎる。外国人3人を獲り、育成枠から2人上げたとしても2つ穴がある。相川フラグ立ったかな……。あと、トライアウトで狙っている選手がいるのかも。