シンク/散文

逆さまに沈む海

浮力に吊されて

私は苦しい

手を伸ばすけれど地面は遠く

足は天を差して水面についたり離れたり

足元は明るく

頭の先ほど暗く

僕は地面を求めてもがく

体は芯が通ったみたいに動かなくて

手足だけをじたばたと泳がす

そこではたと気がつく

頭を使えば?

今どんな状況?

逆さまなんだって気づく

気がついてしまえば

なんだかばからしくなって

体の自由が戻って水面から顔を出してみた

星のない静かな夜で

陸地はどこにも見えなかった

何かが足に食いついた

土に還るしかないと思った

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