ごっちゃに/夢日記

DATE=080725.fri

山間の地で新年のお祭りが開かれている。

集落総出で山に登るというもので、通りすがりの僕ら家族も一緒に登ってみる。

山頂に上がってみるとそこには小さな鉄道駅があった。神社はその隣に立っている。

この駅ができて以来、祭りの意味は少し変わったそうだ。

神社の前に駅を軽く拝み、そして年配の人々は神社に吸い込まれていく。

残った働き盛りや学生たちは電車を待っているらしい。

そうか、今日は仕事始めか。

この駅に駅舎が無い。ホームがむき出しになっていて、しかもものすごく狭い。

だから列車を待つ人たちは神社の境内にまばらに立っている。

多くは定期券を使うような人だし、ごく少数の持っていない人は列車の中で買うのだろう。

僕らも列車を待った。

ほどなくベージュの地色に赤いラインが一本入った、レトロな車両が一両きりやってきた。

ホームはこの一両がぴったりおさまるつつましさで、そのコンパクトな風景はどこか愛らしさがあった。

惹き寄せられるように僕は列車に乗り込んだ。

そして一駅運ばれて列車を降りた。

そこはさっきの駅よりはよっぽど大きいが、それでもこじんまりとした駅舎だ。

駅舎は正方形のロビーを中心として、四面に改札、切符売り場、弁当屋、うどんやが配置されている。多くの靴底が長い年月をかけて磨き上げた床面のコンクリートがてかてかと黒光りしている。壁面と天井も煤けている。

こういう駅はあとどれくらい日本に残っているだろうかと思った。

特に目的があって列車に乗ったわけではないので、すぐにもとの駅に戻った。

神社では祭りは終わったらしい。

ただ、地元の偉い衆さんが本殿の前に集まってなにやら談合しているのを見つけた。

耳を傾けてみると、どうやら地主の息子さんがなかなか嫁をもらえなくて難儀しているとのこと。

当然、お見合いはするのだが、見合い中に相手のお嬢さんが発狂してしまい、縁談がまとまらないのだ。そして当の息子はというと毎日毎日パソコンに向かってなにやら怪しげな様子だという。

と、ここまで話が進んだところで件のパソコンが全員の目に晒された。

息子は大黒柱に縛り付けてきたそうだ。

さて、パソコンに電源を入れてみる。

スタートアップに登録されていたらしい、ワードファイルが自動的に開かれる。

黒い背景に白い文字でなんの変哲も無い日記が記されていた。

農作業をやったとか、いい天気だとか、日付とどうでもいい、他の人も知っているような行動ばかり記されている。

僕はなんとなくマウスをつーっと滑らせて、文章を選択してみた。

すると、背景色が反転し、黒い文字で書かれて見えていなかった部分が見えた。

一面にびっしり「私を好きになれ」と書いてあった。

びっくりして選択を解除すると黒く戻った背景部分に髪の長い女性の顔が浮かび上がり、大きく目と口を開いてこちらを指差した。

唇がこう動いたのが本能的に読み取れた。

「のろってやる」

すっかりおびえつつ、事態の原因を把握した一同はそのままパソコンをお払いのために神社へと引き渡した。

さて、車に戻ると老年の運転手が僕を待っていた。(註:当初の家族旅行的な設定は忘れられたらしい)

自宅へと帰るためにエンジンがスタートされる。

山間の道だけに普段から通行量は少ない。だが、この日は珍しく先行車両があった。

ずっと同じ速度で進む。遅いわけではない、カーブでも負担が少ない適切な通行速度での快適なドライブ。だが、そんなスムースな流れの中、通過中のトンネルで不意に前の車が右折した。

よく見ると確かにトンネルに横穴がありどこかにつながっているらしい。

好奇心を刺激された俺たちはその横穴に続いていった。

しばらく走ってみるとそこは私有地だった。どうも建物が持つ雰囲気がお寺のそれに感じられ、ちょっと後ろめたい。

しかし目の前に見える海は間違いなく山越えを果たした証拠で、思わぬ近道の発見に俺たちはとりあえず相好を崩した。

さて、他日。

俺と運転手は同じようにこの近道を使おうとし、トンネルを抜けて謎の施設の前に出た。

それにしても人の気配があまりにも少ない。どんな人間が住んでいるのだろう、ときょろきょろと施設群を見回す。

すると、不意に木陰から年配の僧侶が車の前に飛び出してきた。

急ブレーキが踏まれ、車が停車する。

僧侶は動じることなく助手席側に近づいてきた。俺は覚悟を決めてウィンドウを上げる。

「何か?」

「別に通り抜けを咎めるつもりはありません」

当然予想した問題は回避されたが、僧侶の表情に親しみは表れていないのが不気味だった。

何かは必ずある。

「では何の御用で?」

「人を保護してきて欲しいのです。つれてきていただければ今後もご通行いただいて結構」

「それで、どんな人をどこから連れてこればいい?」

「トンネルを戻って南へ。街にヘリから降ろしてもらう予定になっています。5歳くらいの子供の姿です」

「わかった」

怪しさ満点だが拒絶しなかった。問題があったらそのときは逃亡も含めた選択肢の中から適宜対処するだけだ。

指定された合流地点でヘリを待つ。

風が強く、星が少ない夜。

わずかに空気が揺らぎ、かすかに星がかすんだ。ヘリだ。

それはなかなか降りてこない。かなり上空にあるので目で追うのが難しかった。

ぽつり、と白い点が増えた気がした。そしてそれはだんだん大きくなる。

明らかに大きくなり、それが件の“子供”だということに気がついて俺は慌てた。

“子供”は正確に計算されて俺の構える腕の中に落ちてきた。とりあえずほっとしてひとつ息をつく。

その“子供”は眠っていた。

見上げると既にヘリは消えている。妨害も無いようだ、気を抜いて車へと歩き出すと、目の前を閃光が走って車が爆発炎上した。いや、車だけではなくアスファルトの路面に一直線に炎が上がっている。

足を返して反対方向へと走り出したが、閃光は次々と周囲を走る。どうやら狙いは正確につけられていないらしい。まわりの公営団地が次々と火に飲まれていく。

まったく、これじゃ戦場だ。

俺は植え込みの茂みの中でつぶやいた。

火線を目で追い、狙撃ポイントを探る。

いた。半身を黒光りする機械で覆った人間。

「第三機甲師団の戦車人間か!」

俺は舌打ちをした。

「どうなさいます?」

運転手が訊ねてくる。

「これまではどうにか平和な関係だったんだがな・・・。逃げの一手といきたいところだが、この火力を前にしては難しい。穏便に黙らせてきてくれ」

俺はそう言った。

「御意」

運転手は一礼して蒸着を開始する。こちらはまさしくヒーロースーツだ。

さて、さらにまたまた後日。

人気の無い海岸での出来事。

「先日はこちらの部下がお世話になったそうで」

桑田似の師団長が片頬を吊り上げながら嫌味に言った。

「美人にこれ以上傷をつけずにすんでよかったです」

俺は師団長の隣の女性を見ながら言った。

「この・・・!」

女“戦車兵”は明らかな怒気をはらんだが、師団長が手でそれを制する。

「われわれはこの体に誇りを持っております。それよりも不気味なのはやつらです。やつらは1000年前よりこの星に飛来し、体を改造しながらこの星に浸透しつつあります。あの侵略者どもから人類を救うために協力しませんか?」

「あっちは溶け込もうとしてるようだが?」

「溶け込む?侵略の間違いでしょう。エイリアンなのですよ?」

「俺はまだ判断材料を持っていない」

「では、しばらく様子を見られるといい」

「無論、そのつもりだ」

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民族チックからオカルトになり、SFヒーローへと変化。

俺自身は蒸着できないらしい。長官?

めんどくさくなったので後半は手抜き。

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