深町 秋生『果てしなき渇き』宝島社文庫/読書感想

肉をミキサーにかけ、涎や糞尿、精液や愛液と血液と一緒に都市排水に混ぜたものをぶちまけられたような読後感。臭いがないからよくもこんな汚い物をぶっかけやがったな、ってだけで、可笑しくて笑っちゃう。そして吐く。そんな読後感。

そのまんますぎるか。

けど、それ以上でもそれ以下でもない。

エロい……というよりは一般的には下劣な描写が多いです。

グロい描写やら何やらもあるので、一般にはお勧めできないです。

う~ん、でも、面白かった。

サイコー。君、サイコー。

とにかく文章に勢い――いや、エネルギーがある。

その破滅的なまでのエネルギーを破綻させずに読者に伝える文章力がある。

そこがこの作品の凄さ。

単に人間の品性の中でも下劣な部類をかき集めてきて詰め込んだだけなんだけど、そんなカオスに無理やり物語としての流れを与える力がすごい。

勢いに任せて4時間で読んだ。

ある意味、現代のダークファンタジー。

僕が住んでいるファンタジーとはまったく反対側のファンタジー。

こんなの、多くの人にとっては現実じゃない。

でも、現実じゃないものを書くから小説は面白い。

俺も黒いモードだったから読めた。

今だったらスウィーニートッドも愉快に観られただろうに。

ま、こういう気分の時は人の誘いには乗らないんだけど。

どうかな。寂しいときは無理だな。

どーでもいいけど、加奈子にエロスを感じるほどに男という性の業の深さを知るというか、セックスってしょーもねーな。つーか、主人公が悪いんだよな。始めっからそういう感じがムンムンでさ。最後のビデオのシーンとかSというよりマゾすぎるだろ。なんであれでn(自粛)。

狂ってる(褒め言葉)

あと、公安ってどんな媒体でもろくなことになってないけど、(以下略)

深町先生は「深町秋生の新人日記」ってサイトを持っていらっしゃって、ときどき楽しく読んでいます。

郊外の―なんだっけ?すごく秀逸なの形容に忘れてしまった。なんか郊外が好きなんだそうです。

ドライブスルーがあって年食った暴走族が爆音を放っているような郊外が。

都会みたいにことさらにきれいなふりをしない郊外。

僕も郊外好きです。更地にしてしまいたいくらい。

ところで、失礼な考えなのだけど。

深町先生はPerfumeをどういう意味で好いていらっしゃるのだろう?

機械的なきれいさを人間で汚して見たいのだろうか?

それとも機械の冷たい目で見下して欲しいのだろうか?

なんてことを考えた。

あははははw

あー、頭のねじがゆるい。