森博嗣『スカイ・クロラ』講談社文庫/小説感想
「スカイ・クロラ」シリーズのひとつ。順序はどれからでも読める。
なんともふわふわとしたファンタジーだ。
解説を鶴田謙二氏が書いている。
友人が好きなので彼の部屋で読んだことがあるが、鶴田謙二氏の作品もこんな感じだったと思う。
その浮遊感の理由のひとつは鶴田謙二氏の解説で理解できたような気がする。
もうひとつの理由は、読んだら終盤に書いてある。
あんまり語る必要性を感じない。
短く切り取ったって、全部が説明できるわけじゃないから。
読んだらわかるよ。
大きな戦争の中で、小さな子供が分かる範囲の事を処理した結果、人殺しになっているって。
僕の理解も部分的なものに過ぎない。
アニメ映画が今夏公開だっけか。
押井守氏が監督というのは、合っていると思う。
というより、合っていると思うから作るのだろうけれど。
僕は押井守監督の作品は『攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL』しか知らない。
あとは『パトレイバー』と『イノセンス』をやったという外形的事実しか知らない。
あと、それらの一部―カットが持つ雰囲気しか知らない。
でも、その雰囲気が似ている感じがするから、ああいう感じに作るのだと思う。
それは楽しみだ。
どうでもいいけど、演出なのはわかるけど文章をぶちぶち改行で切るのは好きじゃないな、僕は。
音が途切れて気持ち悪い。
意味上の切れ目、意識の切れ目なのだろう。
文章の読み方に大いなる個人差があることをつくづく思い知らされる。
たぶん、僕が特殊なのだろうけど。
頭の中のリズムで句読点を読み違える時があったり、リズムから外れた語句をすっ飛ばしたりしてしまうから。
なんだ。ただの馬鹿か。