毒牙とうどん/夢日記
DATE=080613.fri
表通りの角地に建つ洋風の建物に暮らしている。
部屋が広くて天井が高い。暖房効率は悪いが壁紙や調度品の落ち着いた感じはなかなかだ。
さて、夕暮れが近づいている。
この建物は北東に向かって開いているので夕方は早くから暗い。
少し、外に出て今日の残照を浴びようと思った。
裏手は路地になっている。まるでここだけが100年前のロンドンのように表と裏が背中合わせ。
ニワトリの糞尿の臭いが強いが、それ以外にも家畜の糞があちこちに落ちている。
率直に言って、鼻が曲がるほど臭い。
そんな中でも生活する人はいる。
そして、今のA代表のゴールキーパーはこの路地の出身だったはずだ。
名前は……ええと、忘れてしまった。顔も思い出せないな。
ぼろを着た住人と出会った。
「やあこんにちは。この路地からあの有名なゴールキーパーが出たという話ですが……」そこまで言うと住人はうつむいてぽつりと言った。
「命が惜しいならあいつのルーツを探るのはやめな。あいつは魔王だよ」
発言の意味が掴めず唖然とするとその男は路地を表通りへと去ってしまった。
「魔王って……」
そうつぶやいて足の向きを戻そうとすると犬の糞だか人の糞だかを踏んづけた。
まったく、許しがたい。
俺は少しヤケになって記憶を無理やり掘り起こし、その未だに名前を思い出せないゴールキーパーの生家を見つけ出した。
改築されて水色に濃紺色の屋根瓦になっているのを覚えていた。このダウンタウンでは2階建ては少ないし、見つけるのは簡単だった。呼び鈴を押して中に入る。
母親らしき人物が現れたので声を掛ける。
「あの―」
「息子の話ですか?」
話が早い。が、迷惑そうな顔だ。
「中へどうぞ」
しかしあっさり中に入れてくれた。
「2階へ」
そう言って母親らしき人物はキッチンへと入り、替わりに妹らしき人物が俺の前を歩き出した。そして螺旋階段を登る。
俺が最初の段に踏み出したとき、それが上から落ちてきた。
毒蛇で、左胸に落ちてきて、噛まれた。
心臓がおかしな拍動をして、俺の意識は暗転した。
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起きたら脈が乱れていた。
よくあることなのでしばらく息を止めて待つ。
多少の冷や汗をかいたが鼓動が元に戻ったのを確認して再び眠る。
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家族旅行に連れて来たのは俺のはずなのに、俺がはぐれてしまった。
とりあえずアイスを買って食べる。
空はまぶしいが避暑地なだけあって空気はさわやかだ。
アイスの冷たさが心地よい。
しかし、アイスではこの空腹はごまかせなくなってきた。
ふと目に入った茶屋ヤマカムでうどんを食おうと考える。
しかし店主が見当たらない。一体どこに行っているのか?
俺は座卓に座ってのんびりと待った。
しばらく待つと向こうから店主と共にうちの家族がやってくる。
「あ、お兄。ヤマカムさん閉店らしいから他のお店で食べてきたよ」
妹が能天気に言う。
……俺の昼飯は?
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昨日から風邪気味臭い。
喉おかしいし。
ちょっとぼぅっとする。
あ~、やだね。
グロくエロくもなくて記憶に残る夢は久しぶりだ。