目/daily

「目標」という単語には、「標(しるべ)」という字が使われている。

「標」とは漢字としては「木製の道標」であり和語としては「知る辺(べ)」であって、「寄る辺」が「留まる所」ならば「道筋を知る所」つまり案内所ということだ。

よって、「標」それ自体は最終到達地点でありえない。

ただそこは、次に到達すべき地点を知る事ができる場所である。

だから、「目標」とは「今、目に見えている目指すべき所であり、そこから次に進む道が見えるであろう場所」だろう。

だから、「目標」はいくつかあって、それらはひとつひとつ片付けられていく。

「目的」という単語には「的(まと)」という字が使われている。

「的」とは漢字としては目と弓であり、和語としては「ま(目)」+「と」である。「と」というのは…推測なのだが、「あと」「そと」「こと(事)」「なとか・などか」…そして「と(戸)」が「やまと(山戸)」や「瀬戸」のように、限定的な場所を指示する語であり、転じて狭まった場所を指すものであろう。

つまり、「的」は「目の付け所」という意であり、「目的」とは二重に「目を付け、目指していくべき所」なのだろう。

だから、きっとこちらが最終到達点なのだ。

だけど、人間は間違うこともある。

目的と手段を取り違える事もある。

みんなの目的に大差はないはずなのに、間違えたり、道に迷ったりして、はぐれたり別れたりしてしまうのは、こちらの目が曇っているからなのだと思う。