Days Goes On/WonDererS

「以前言われたよ、“言わせてもらうが、お前、考え方がガキだよ”ってな。ああ、知ってるさ、とは言わなかったのは“大人”かな?“子供”かな?だが、どういう考え方が“大人”なのさ?自立して生きていくこと?成程、そいつぁエラいこった。だがな、オレは自分が生きているなんて大それたことは思ったことがないんだよ。オレは死んでいるんだ。そして他のヤツに動かされてる。ほら、見えないか?オレを引っ立てる“マリオネットの糸”ならぬ“リビングデッドの鎖”が、さ。―ああ、今のセリフは“鎖”と“腐り”を掛けてるんだぜ?どうだい、愉快だろう?」

「彼が子供なのは、子供のうちにその魂をある場所に縫い付けられてしまったからだわ。“心に刻み込む”―良い喩えよね。人の心は軟らかな石みたいなもの。それに記憶を刻み付ける。刻み付ける時の打撃が大きいほど、深く、大きな記憶が残る。それは、時に傷と認識されるほどに―」

「―とかなんとか言う甘やかしに惑わされてはいけない。あの程度のことの何が事件なものか?あれで死んでいれば違ったろうが、死ぬほどまででは無かったのだろう?だとしたら大したことはない。舐めておけば治る傷に過ぎない。そんな過去に縛られるなんて全く存在価値の希薄なヤツらだ。我が志を共有するには不足だな」

「だが、儂らの意志は彼らの礎の上にある。“闘争心”と“冷笑”或いは“達観”、それらは彼ら過去の上に築かれた。故に共闘は必然」

「そして僕らのベクトル和が示す所、全てが生きる方向性は明確化されている。でもそれ以上にその遠い目標達成のためにも、財政的自立が優先される状況です」

「そう、働き始めねば」

「そう、オレらの礎のために」

「そう、我らの頂点を極めるために」

「終末と起源を繋ぐために」

「循環とは一つの完成系である。終わり無き終わり。始まり無き始まり。閉ざされたループ。始点と終点が同じであるために成長のイメージが難しい。しかし、ループの環を大きくすることで全てを呑み込みうる。循環は渦となり、事象を回天させる。中心から吐き出すモノか、中心へ吸い込むモノか、それは現時点で謎である。だが、もしそんなモノを目指すのならばいっそ今死んだ方がマシだろう。循環自体、一つの死の形であるが、それとは別の停止という死。

だが、それは望まれていないらしいのだ。そして、それを心の底は正しく思っているし、嬉しく感じている。それが軸である限り、死という選択肢は死蔵し続けられ、枯れた手足を操って踊

る日々が続く」

日々は続くのだ。