とまどい/屑籠

真っ直ぐな人を見ていると羨ましくなる。

彼らは、目標を見定めているので、例え予定外の外力が働いてもすぐに針路を修正して目標に進むことができる。

僕は、何だろう?

外力が働くたびに針路を変更して、内力にもしたがって、軌跡ははちゃめちゃで瞬間ごとに接線を取ってみても目的地なんて推定できない。

何なんだこの航跡図は?

ちくしょう。

ああ、調子悪いな。

外は雨が降っているだろうか?

先生には「調子はまあまあです」だって。

そう言った方が良いように直感したのは錯覚だよ。

そして、錯覚ばっかりで自分の本当の姿が見えない。

どれが本当なんだろう?

優しさの延長にある柔らかな僕?

憎しみの延長にある尖がった僕?

表面的な社交を処理するための機械的な僕?

混じり合わないこれらのどれが正しいと言えるの?

教えてくれ、どれがいい?

なんて、軟弱で脆弱な他力本願なんだ!

うそ、うそ、うそ。

ほんと、ほんと、ほんと。

みんな嘘でみんな本当だ。

鏡像位置の視点が相互にそう評価しあう。

合わせ鏡みたいだ。

どこまでも続いて、そして認識が崩壊する。

ああ、なんて、苛立たしい。

鏡なんて嫌いだ。

ここには窓が無い。

外は雨が降っているだろうか?

駄目だ。

今日は文章では駄目だ。

絵を描こう。

絵を描きに行こう。

ああ、なんていきぐるしい、重たい空気なんだ。

この部屋を出よう。

窓が必要だ。

そして、空模様を見ないと。