漫画/夢日記

■070408.sun

(以下、全ての光景は石ノ森章太郎の「サイボーグ009」風の絵の漫画を見ている感じだったので、出来ればそんな空想力を働かせてみてください)

主人公の若者は人気のない研究所に忍び込んだ。薄緑色のぴったりとした服を着て(軍服なのだろう)、小銃を手に構えている。表情は伺えない。

慎重に廊下を進む。無機質な白い壁、窓は無い。

廊下の突き当たりは下階からの吹き抜けになっており、この階層からは足場がめぐらされていた。下方から小さく声が聞こえてくる。足音を殺し、身を低くして柵へと近付いてそっと下を伺った。

黒い潜水服のような者を着た連中が4人。ゴムボートに乗って排水設備を辿って来たようだ。連中の一人の顔には見覚えがあった。高名なテロリスト集団の実行部隊の一員。目的は同じものだろう。

彼は急いでその場を離れ、別の廊下を進む。

そして、ある部屋にたどり着いた。

その部屋は初め真っ暗だった。そこに一人の年老いた白衣の男の姿だけが白く、ぼんやりと浮かんでいた。その老研究者は彼を一目見るなり、雷に打たれたように立ち上がり、彼に縋りつくようなしぐさを見せた。しかし、警戒した彼が銃を構えた瞬間に、はっとしたように動きを止めて代わりに口を開いた。

「君が来る時を待っていた」

「彼との―君の父上との約束を果たさねばなるまい」

「あれは50年前の話だ―」

暗い部屋に明かりが灯り、青年の前に二人の男がモニターの前で肩を落とす幻像が現れた。

『何と言うことだ!またひとつ街が消えてしまった!』

『大自然の怒りがこれほどのものとは―』

『このまま人類は滅びるしかないのか!?』

『いや、人はこの事態により強い科学の力で対抗しようとするだろう。すぐに滅びるわけではない。しかし―』

『しかし?』

『人と自然の争いに疲弊して、地球そのものが消耗してしまうことになるかもしれん』

『それは滅亡よりもひどい未来だ!』

『それを避けるには大地を甦らせるしかない。そして、そのためにはこの未知なるエネルギーの研究を進めねばならない』

『方法があるのですか!?』

『ああ、私は必ずそれを完成させる。しかし、それは恐らく人の体に埋め込んで地脈の中心まで運ばれなければならないだろう…そして、その役目はきっと、あのエネルギーに曝されながら生き延びた私の息子以外には成し得まい』

『………』

『私はこんな体だ。研究を終えるまでに持つかも解らない。しかしもし私が死ねば、全ての研究は君からあの子に伝えて欲しい』

「父…さん?」

「そうだ。君はあのあと病院で50年を眠り続けた。博士は数年後に研究をさせてすぐに死んだ。私は君を連れに病院に戻ったが君は軍に連れて行かれてしまっていた。しかし、私は信じていた。この新しいエネルギーは不思議な力だ―人を惹き付ける。君がいつか現れると私は信じていた。それだけのために生きていた―」

「俺は―」

「君が戦うしかない。彼らは全く逆の目的―破壊を企んでいる。君しか戦えない。その力は君のものだ」

青年の胸元に光の玉が現れ、そして体の中心へと入っていった。

“敵だ―”

誰かが青年に囁いた気がした。

青年は飛んだ。青年の体は壁をすり抜け、巨大な実験用水槽がある部屋に降り立つ。

4人。同じような不確かな存在。間合いを詰めて来る。

敵が弾丸を放った。青年は水中に飛び込み、すんでの所でその攻撃をかわす。彼は水面という境界の反対側に居た。水面の向こうの鏡の世界だ。やつらには届かない。彼だけの境地。

彼は連中が困惑するのを見てから水面から飛び出し、彼らに痛撃を叩き込む。瞬く間に二人を倒す。残る二人は逃げる体勢に入った。しかし、彼に逃すつもりは無かった。瞬間的に水面と融合して、体を霧に変じた。濃厚な霧で残る二人を絡め取り、水中に沈める。困惑と苦悩の表情。敵は沈黙した。

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何か良くわかんないけど、こんな感じだった。