遠く青森の話だけど。/社会

読売新聞によると、『青森県むつ市が、経営難から閉店した大型ショッピングセンターの空き店舗に市庁舎を移転する計画を進めている』そうです。

『移転先として市が取得を目指すのは、昨年9月に経営破たんした「むつショッピングセンター」(本社・むつ市)の大型店「アークスプラザ」の空き店舗』だそうで、『床面積は市庁舎の3倍近い』そうな。

ほお。

しかし、センスの欠片も無い建物だな。

デザインコンセプトは何?

『現在のむつ市役所の庁舎は鉄筋コンクリート造3階建てで、1962年に建設。68年の十勝沖地震で3階の屋根部分が破損したため、1、2階だけを使用している。昨年3月に4市町村が合併し、職員数が92人増えて432人となり、手狭になったほか、老朽化で耐震強度も心配されている。』

…?68年の十勝沖地震で破損?それをずっと…?

阪神淡路大震災の後に耐震基準が上がったし、その前にも建基法変わらなかったっけ…?いや、共用してたってことは耐震基準は大丈夫と判断されてたんだろうけど…。

何より、38年間も改築予算を確保できなかったの?

その上、合併で人が増えて手狭になったって…安全上の観点からも、ここに人員を集中させる意味はあったの?合併の中心としてのプライドだろうか…?

いや、じゃなくて、人が1.3倍になったからって3倍の場所に移転するのか…?ショッピングセンターだから天井高いし、冷暖房費が馬鹿にならないんじゃ…。

ランニングコストを考慮しているんだろうか…?

『杉山粛(まさし)市長は、「現庁舎は老朽化が進み、災害復興拠点としての機能を果たせない。この巡り合わせを逃すと、庁舎移転は当分実現しない」と話し、移転に強い意欲をみせている。』

…災害から38年復興してない建物だからな…そりゃ災害復興拠点として機能しない雰囲気がまんまんでしょうね…(ゴメン、これ皮肉だ)

というか、全然庁舎移転の基金を積み立ててないんだ。

行政組織の施設管理費ってどういうふうに運営されているんだろう…?

感覚的には、最低でも30年に1回は全面改築を見込むべきでは…?

『9月定例市議会に改修費などを盛り込んだ補正予算案を提出する方針。議会の理解を得られれば、合併特例債などを発行して費用を工面し、来年秋にも市庁舎を移転する。』

合併特例債かよ!?返済できるアテはあるの!?

財政再建団体になりかけたことあるのに!?

『市によると、空き店舗に移転する場合、土地と建物の取得費用と改装費で約15億円かかるが、新築した場合と比べ、3分の1になる。現庁舎の扱いについては、白紙状態だが、賃貸することで家賃収入を得ることも考えているという。』

15億…3セクからの買取なだけに、適正価格なのかどうかが気になる…。

しかし、安い…のか?

むしろ、耐震上の不安がある建物から家賃収入を得る気かよ…。

というか、行政が大家なんてどうせ殿様商売にしかならないんだから、すぱっと土地ごと売っ払ってしまえばいいのに…思い切りが悪い。

大家をやるってことは維持管理費を負担するって意味だろう?すぐに足が出そうだ…。

…なんだか、あんまり名案に感じられないんですけど…。

行政って大体こんな感じなのかな…お金の使い所って大事だと思います。

地方公共団体って法人なんだけど、会社法人とは感覚がえらい違うのね。

企業はイメージとして自社ビルに凄くこだわる。

減価償却して、改築費用を考える。

津和野町の役場は良かったなぁ。旧津和野藩の家老旧宅を改装して使っていて、津和野らしい歴史ある風情があった。内装も外装と合わせるために木が使われていて、凄く落ち着く雰囲気を持っていた。

役所というのは、その町を代表するべき建物です。

特に、地方都市の場合、その地の地理的中心にあるために物凄く目立つ。なので、ちゃんとお金を用意するべきです。

意味のあるお金の使い方というのは、誰もが納得できる使い方です。

これを貧すれば鈍すというのだろうか…。