変化への衝動/思索
破壊衝動とは、変化への衝動が社会にとって不利益な方向へと向いた時に呼ばれる通称である。
だが、本人にとってそれは、正しいと思われる状態への変化の欲求に過ぎず、ただ、それが社会と相容れなかっただけである。
秩序の破壊者とは、秩序を破壊して無秩序をもたらした者ではない。
彼にとっての無秩序を是正しようとした結果、社会的大多数の秩序を破壊してしまったのである。
では何故それらは破壊となったのか。
つまり、彼らの社会や秩序の認識に、社会的な欠陥があったからであり、それは彼らの置かれていた環境に起因するところが大きい。
社会とは環境であり、最終的な責任は社会へと帰結される。
(末梢的な責任は個人へと帰着される)
社会は対話する個人の集団によって構成される。
つまり、社会は個人の意識とそれらの対話をその要素とする。
破壊を防ぐには、個人の認識とたゆまぬ対話が必要である。