2006-06-21 航海/散文 文散 詰まる所、自己嫌悪とは錨であり、自己愛とは船体であり、ペルソナとは帆であろう。 錨が重過ぎては出航できない。 船体が大き過ぎては機動性に欠く。 大きすぎる帆だと風にあおられて転覆する。 帆柱の屈強さは持論の確かさを思わせる。 指針の精度は見る目の確かさを思わせる。 未知の大陸に辿り着くか、それとも海の藻屑と消えるか。 今は、ぐるりと見回しても、海、海、海。 濃さの違う青に際立った水平線が見える。