酒仙伝説/バトン

酒でキャラが変わる、という話が今ホットなの事もあり、拾って来ました、お酒バトンです。

【Q1、酔うと基本的にどうなりますか?】

その日の心境が増幅される。

つまり、陽気な時はますます陽気に、陰気な時はますます陰気に。

【Q2、酔っ払った時の最悪の失敗談はなんですか。】

失敗談って言うか、伝説ならありますが?

<酒仙伝説 第一話~雪夜の怪人編~>

これは、本当にあった話なんです。

あれは3年前の3月第1週土曜の雪降る夜のこと―。

僕と研究室の面々は、由布院盆地の奥にある湯平(ゆのひら)に宿泊していました。

3月第1週の土曜は、毎年土木学会西部支部の研究発表会があり、それにかこつけて研究室旅行を行うのが毎年の慣例なのです。

旅館で美味しい料理を食べた後、2階の部屋に戻った僕達は持ち込んだお酒とおつまみで宴会を始めました。

研究から開放されて飲むお酒の美味しいこと!

みんな次第に気持ち良く酔い、大いに食べ、大いに笑いました。

僕はふとトイレに立ち、窓の外を見ました。

雪は既にあがり、綺麗な月が出ていました。屋根の上に積もった雪が皓々と輝いて美しい―僕は誘われるように窓から外に出ました。

足元は確かでした。

僕は酔ってもあんまり体には悪影響は無いタイプです。

空気と雪が冷たくて心地良かった―それを憶えています。

窓の向こう―つまり部屋の方―に人が現れました。僕の次にトイレに入った2コ上のS先輩でした。

「何しようとやー、お前」「雪で遊んでいます」「アホか、戻って来い」「イヤです」「ならそこにおれ」

そんなやりとりの後、先輩はニヤリと笑い、窓の鍵をかけました。僕を閉じ込めようとしたのです。

―そして、惨劇は起きました。

しばらくして、部屋の中に両手に一杯の雪を抱えた男が乱入しました。

そしてその男は笑いながらその雪を部屋中にばら撒いたのです!

「あはははは!雪~♪雪だ~♪」

巻き起こる怒号と悲鳴。

「きゃー!」「ツメたっ!」「ちょっ…おま!」「やめろっ!」「あはは!」

そんな混乱を余所に、楽しげに笑いながら走り抜ける怪人・雪散らし!

そしてそのままドアを出て、廊下に走り出て行きました。

一瞬、静かになる室内。

「何、アレ?」「最悪」「てか、どこ行った?」「廊下に行った気が…」「マジかよ?」「捕まえな」

そうして、K先輩を先頭に捜索隊が部屋を出ました。

廊下は濃い闇に包まれていて、自分の手が辛うじて見える程度…。

捜索隊は取り敢えず階段の方へと進みます。

「おる?」「おらん」「てか何も見えん」「階段は?」「今…」

廊下は階段に垂直に付いていました。

K先輩の顔が廊下の曲がり角の先を見るより先に、踏み出した右足が廊下を曲がった階段のすぐ下に潜んでいた怪人の目に入りました。

がしっ。

怪人がその暗闇に薄白く見えた足首を掴む。

「うはぁ!」

K先輩の悲鳴!立ち上がる怪人!何が起きたか理解できずK先輩の後ろで立ちすくむ人々!

怪人は暗闇の廊下で突っ立ったままの人々の隙間を、腰よりも低い姿勢ですり抜けて走り去る。

自分の腰の辺りをすばやくすり抜ける影に、次々と上がる悲鳴!

誰も何も出来ないままに、全員の横をすり抜けて、怪人は再び闇の奥に消えました。

消沈した研究室の連中は、くたくたになって部屋に戻りました。

正味な話、酔いが冷め掛けていました。

「………」「………」「………」

ぼそぼそと力無い声が聞こえます。

これを見て闇の中で怪人はほくそ笑みました。してやったり!と。

そして足音を忍ばせて部屋へと戻ります。

そろりとドアに手を伸ばし、音を殺して開きます。怪人の手付きは手馴れたものです。ええ、熟練の業です。

そして、一気に次なる扉、ふすまを開く!

あれ?誰も居ない。

部屋には誰も居なかったのです。

しかし、その道の達人である怪人にはピンと来ました。

(奥に隠れているな…)

ここまではお互いにバレバレ…重要なのは次の一手でした。

怪人は事の前から目を付けていた、クローゼットに手をかけます。今度はここから飛び出そうと言うのです。

小さく、しかしそれでも聞こえるように舌打ちをして、そして、今開けたふすまを閉めます。部屋を去ったのだと思わせる必要がありました。

そして、それから足音を殺してクローゼットに手を伸ばします…そっと、そうっと…

キィ…

小さいけれど、音。怪人は焦りました。

(マズイ…聞こえたか?いや、小さな音だった。もしかしたら家鳴りとでも思ってくれているかもしれない。しかし…それは希望的観測だ。どうする?クローゼットは断念して、『あれ?僕は普通に飲んでますよ?何かあったんですか?』作戦へと修正するか?…いや、まだだ。まだイケル!)

そして、怪人はクローゼットに納まったのです。

やがて、室内に人の声が戻って来ました。

「静かだな」「どこ行った?」「部屋の中じゃ?」「いや、ふすまの音が…」(しめしめ)「ううん。違うって」(なぬ?)

「違うって、私、しっとるもんね…」

それは、女のY先輩の声でした。

「ここの…」

怪人は焦ります。先輩の声が近付いて来ているからです。

(マズイ…バレている…どうする?驚かすか?しかし…バレたネタで驚かすのはプロのやる事ではない…しかし、普通に出ても収まりの付かない状況なのは確か…)

そして、クローゼットの手すりを握る音。

ぎしっ。

(侭よ!とーうっ!)

「きゃあ!」

取り敢えず、先輩は驚きました。

しかし、部屋の真ん中に躍り出た怪人―もとい、僕・よしひらはすっかり皆に取り囲まれていました。うん、皆手に手に布団を持ってるね。

「今だっ!」

こうして、静かな夜を騒がせた雪夜の怪人は布団蒸しにされて捕らえられたのでした。

「う~ん、すいませんでした…」

「ところで、訊きたい事が一つ」

「ハイ。なんでしょうS先輩?」

「さっき俺は確かに窓を閉めたはず。なのに、一体どうやって部屋に戻った…?」

「それは…ああやって外に出ると、逆に外に閉じ込められる事が多いので、事前にその二つ隣の窓の鍵も開けておいたのですよ」

「コイツ…」

いえ、ホント、反省してますよ?

                  <酒仙伝説 第一話 完>

【Q3、その時はどの位飲みましたか?】

そうですね。

ビールをコップ2杯ほど(ビールは嫌いなので)と、

常識的な割合で割った芋焼酎お湯割り5、6杯でしょうか?

別に吐くまで飲まなくても伝説は残せます。(←残すな)

【Q4、最悪の二日酔いはどんな感じでしたか?】

う~ん。

あまり吐いた記憶はありませんが、お酒を飲んだ翌日は量の多寡に関わらず酷い自己嫌悪に襲われます。

そして、何事にもやる気がおきません。

【Q5、酔っ払って迷惑を掛けた人にこの場で謝りましょう!】

ゴメン!

でも、人を驚かすの大好きなんだ!

なるべく控えるけど、それだけ飲ませちゃった場合は諦めて!

じゃなくて、ごめんなさい!その時は!(自分を押さえ込む自信無し)

お酒を控える事でしか避けられないんだよね。

将来的には、「如何にバレずに上司のヅラを剥ぎ取るか?」とかに情熱燃やしそうで怖い…。(てか、きっと燃やす)

【Q6、今冷蔵庫に入っているお酒の量は?】

無い。

家では飲まないクチです。

【Q7、好きな銘柄は?】

銘柄…焼酎は黒霧島以上じゃないと、ほとんど進まないね!

後は、大抵何でも飲める。

あ、ワインは逆にあんまり高すぎると飲みにくくない?(←料理に合わせるのではなく、続けて飲む事が前提)

【Q8、最近最後に飲んだお店は?】

名前忘れたけど、西新で友達と二人で焼き鳥屋で飲んだ。

【Q9、思い入れのあるお酒5品!】

特に好きなものは無いので、思い出の品で。

むぎのか:使い捨てコップ(それも長いの)でストレート一気の勝負を挑まれ、二連勝(むこうはこぼした)するも、その後、逆流。最悪の思い出。

スピリタス:その前にも随分飲んでいたが、キャップ一杯をくいっと行って恐ろしい事に。迷惑かけた。ゴメン。

【Q10、バトンのジョッキを渡す人5人】

自分に回ってきたジョッキは、全て飲み干すのが礼儀なり。

飲みたきゃ勝手に飲むがいいさ。

無理矢理飲ませるのは感心しないね。

はい。

そんな感じです。

酔っ払うと、人をおどろかしたいという一種のサービス精神が止められなくなるんです。

本当にごめんなさいですm(_ _;)m