怪獣大行進/夢日記

■060517/WED■

朝、足元に生暖かい何かが触れたのがきっかけで目が覚めた。

眠い目をこすり、それが何かを目にしたとき、驚いた。

その物体は、丸く黄色い球体に繊月状の切れ目がはしっており、その切れ目から汚らしい粘性を持った液体が垂れている。

僕は直感で「喰われる!?」と思って布団から飛び起きた。

一瞬遅れてその球体の細かった切れ目が、くわ、と半月状にまで拡大し、僕が寝ていた足のあたりを襲った。周囲に汚い唾液(?)が飛び散る。

目が付いていないのか、その球体は辺りをきょろきょろと見回すように首を振った。

そうだ。離れて少し落ち着いてみると、その球体には首が付いていた。

首と言うよりもそれは幹だった。

ツル植物のツルに近いが、その直径が太いためにもはやツルと呼ぶには語弊がありそうだ。所々に短い葉がついているが、それも飾りだろう。

これだけ生物のように自由に動けるツルを持ち、花があれだけ機敏に獲物に噛み付けるのならば、光合成ではなく肉食で生存可能なはずだ。

そうやってそいつの危険を認識しつつ、ツルの元を目線で辿る。

床から窓の傍を通って換気扇へと上って行く…そして外へ出て…

そして気が付いた。

外に何か居る。

しかも二体。

まずツルを辿った先には、ツルがまとまって一つの束になったような怪樹。丸い球状の花がちらほらと花開き、ツルがうぞうぞと蠢いている。太い部分の直径が2m、高さは3m程か。それ以外の部分は細かく分かれ、無数の根と枝が発生し、自在に動く触手のように蠢いている。

そしてそれと対峙するように二本の足で立ち上がっているもう一体は亀。

と書くと、ガメラを思い出す方が多いだろう。

しかし、コイツは小さい。体長が150cmくらいしか無い。

しかも、カミツキガメ系で鋭角的な姿をしている。

ガメラみたいに丸くないし、なにより凶暴そうだ。

どうやらこの二体、決戦の真っ最中らしい。

それで怪樹の方が押されて疲弊し、栄養補給に僕を狙っているようだ。

僕は片手に定規を持った。

かなり現実的な武器だが、どこから手に取ったかは謎だ。

襲い来る花を半身で躱し、逆手に持ったその武器を振り下ろす。

一丁挙がりだ。

僕は第二波を避けるために部屋を後にし、家族の下へと向かった。

居間には弟しか居なかった。

無論それは、家族の中では、という意味だ。

何か、居間にはムカデを100倍にしたみたいな化け物が横たわっている。

夢の中での弟は基本的にめちゃ強い。

この程度の化け物ならば楽勝だろう。

「一体何なんだ?こいつらは?」僕は尋ねる。

「知らんよ。でも、たくさんおる」弟は応えた。

家の外からは、鳥の鳴き声と鳥にしては大きすぎる羽ばたく音が聞こえた。

「どうする?」弟は外を見ながら尋ねる。

「とりあえず篭城だろう」僕は答えた。

二人して急いで雨戸に手を掛けた。が、その瞬間、別の可能性に思い当たる。

「いや、外が騒いでいる気配が無い。皆すでに避難しているのじゃないか?だとしたら、安全なのは公民館だ」僕は急いで言い。言いながら庭へと走る。

バルコニーには物干し竿や箒、のこぎりが置いてあったが、僕は一瞬の迷いの後にホウキを選択した。

物干し竿はリーチは長いが、太さや重さで操作性に難がある。

のこぎりは切れれば痛いが、単純に振り回してのダメージが期待しづらい。

ホウキはいつも使い慣れているし、掃い、衝き、受けに俊敏さが期待できる。退却戦にはうってつけだろう。

□ □ □

はい。

こんな感じで闘う事もあります。

まだまだ少年の心を忘れていないです。

ビオランテガメララドンですね。

ムカデは…石喰いかなぁ。