夢日記060126

■Jan.01.26.Thr

バスに乗っている。運転席に一番近い左の席。

運転手は若い男だ。今は長い坂道を下っている。

坂道の終端に丁字路があり、運転手が左へハンドルを切る。

すると―おそらく減速が十分ではなかったのだろう―ぎいっ、と音を立てて車体が傾いだ。車内を「あっ」という息を呑む声が満たす。僕は身を縮めた。

それはほんの一瞬、ほんのわずかな角度の傾きだったのだろうが、それでもその一瞬で十分に肝が冷えた。

そんな車内の空気を他所に、バスは対抗車線にはみ出しながらなんとか左折した。。

驚きで呼吸を忘れていた口々から、「ほっ」という安堵の声が漏れる。

僕は運転席を見た。すると運転手と眼が合った。運転手は弁解がましく苦笑して見せた。僕は閉口する。

また下り坂。

そして次の交差点に来た。このバスはこの交差点を右に曲がる。

…はずなのだが、運転手は直進して片幅一車線の狭い道に入っていく。

進路から逸れているし、何より沿道の木立にバスの車体がこすれていて危険だ。

「ちょっ…」

なかば絶句しながら運転席に目をやると、そこには袖を捲り上げた女子高生が座っている。運転手はその後ろ。

運転手は僕に「私、運転苦手なもので…」と照れくさそうに告げ、頭をぽりぽり掻く。

>前途多難な下り坂。