yoshi「もっと、生きたい…」(スターツ出版)

SFホラーに近いんだけど、緊張感が低い。

一応「泣ける話」を志向しているけど、感情移入できるほど描写に熱が無い。

文章の短さ、平易さは「普段は本を読まない人」向けを狙っているのだろう。それから、グロテスクさのかなりの部分を挿絵に頼っている気がする。

僕は、ちょっと描写が物足りなく感じた。セリフを読んでようやく絵にどういう状態を書き込もうとしていたのか判る、絵の書き込みが足りない漫画を読んでいるような感覚だった。

テーマは…まあ、どっかで聞いたことあるかな?くらいの普通レベル。

コンピュータプログラミングなどの専門的な話もいくらか出てくるが、描写が薄くてテーマ相応の知識が作者に有るのかすら判断できない。

読者層を意識して詳しい説明を避けているのかも知れないが…。

心をプログラムしようとする話は世の中にいくらでもある。手塚治虫氏が随分考えていらっしゃる(ロビタの話が泣けるんだよなぁ…)。

愛をプログラムするって・・・陳腐で使い古されていると言わざるを得ない。

全体に、絵本と小説の中間かな…と思いました。

1時間程度でサクサク読めるし。