夢日記051028

池の水面を歩く幼虫。鮮やかなピンク色の頭、黄緑色の体。

何故沈まないのだろう?

良く見ると水面下には水草が繁茂していて、その茎が水面近くまで伸びているところを選んで歩いていたのが解った。

池から流れ出す川を下る。川沿いには田園風景が広がっている。

季節は秋。稲は刈り取られ、田には稲株が並んでいる。

そんなのどかな風景の片隅に奇妙なモノが転がっていた。

色は灰色。サッカーボールくらいの大きさで、空気の抜けかけた不恰好さと質感はまるでゴム毬のようだった。

ちょっとした好奇心で石を投げてつけてみた。下手投げで軽く投げた石はその不思議な塊に狙いどおり命中する。

やっぱりというか何と言うか、石に反応してそれは動き出した。どうやら生き物だったようだ。

手足は無く、小さな目と大きな口が毬の中央に現れてこちらを唸り声で威嚇する。

僕はちょっとひるんだ。夢の中で出会うこういう生き物は、大抵の場合においてかなりタチが悪い。

そういうことを思いながら身構えていると、そいつはそれこそゴム毬のように体を潰して力を溜めて、勢い良く跳ね飛んだ。

そいつはあぜ道に跳び上がり、道端に転がっていたサッカーボールに勢い良く体当たりした。

絶妙のコントロールでサッカーボールは僕の方に飛んでくる。

夢の中で無ければ避けなくてもいい。でも夢の中では絶対に避けなければいけない。

僕はそのボールを避けた。狙いを外れたサッカーボールは地面に落ちて、小石を飛び散らせながらアスファルトの路面にめり込んだ。避けなかったら骨折していただろう。

驚く間も無く今度はそいつ自身が牙を光らせて向かってくる。

こうなってはもう仕方ないので、僕は背を向けて逃げだした。