夢日記051010

広い白い何も無い部屋。白いドアが二つ。ドアと反対側の壁には、腰くらいの高さから窓が並ぶ。

みんなは窓際に並んで床に座りこんでいる。

ただ一人だけは奥の壁際、ノートパソコンの載ったテーブルの傍に立っている。

ブラインド(これも白い)が下ろされて部屋がわずかに暗くなる。白い部屋が灰色になった。

パソコンの画面がプロジェクタによってドアがある側の壁に映し出される。ノートの横に居る後輩がプレゼンを始めた。

しかし、みんな思い思いに私語をしていて、話はぜんぜん聞いていないようだった。

それに対して、先輩が怒ってちょっと説教をした。みんなは静かになった。

そして後輩のプレゼンは再開された。

僕は窓の外を見た。

ブラインドの隙間からわずかに見える景色。枯れ草色の丘と逆光で真っ黒に見える一本の枯れ木。

<続きには、かなり黒いのを格納しています>

彼は誰時―。

黒い剣、黒い服、生贄、血に塗れた手。

黒魔術―。

父には言ってはいけない。最初に考えたのはあの男。不死と成る法。成功するとは思っていなかった。この剣だけは渡してはならない。殺される。唯一の弱点。思考が乱反射する。

「何をしている。」

振り返る。父の姿。怒りと困惑の形相。怒気のこもった声。

「貴様―まさか成功したのか?」

背を向けて逃げる。逃げる。公園に立つ怪しげなオブジェ。その陰に隠れる。

父は追ってきた。また、相対する。気が付いたのは自分が剣を持っているということ。そうだ丸腰の父に負けるはずが無い。銃でもあれば別だが・・・。

その思考に父は気付いたのか、今度は父が背を向けて逃げ出した。瞬間的に父が応援を呼びに言ったことに気付く。追おうかと思ったが、それよりもまずこの剣を隠すべきだ。唯一の弱点。銃で撃たれ、動きが止まったところでとどめを刺されれば一巻の終わり。この剣を隠し、逃げなければ。

昔、死体を埋めるために掘った穴を思い出した。そこなら土が軟らかい。それに誰も知らない。今までそれは発見されていないのだから、これからも発見される可能性は低い。それくらい昔の(別の夢の)話。

素手で土を掻く。やはり軟らかい。といっても常人なら爪が剥がれてしまうだろうが。

掘って、また、掘る。と、土が崩れて空洞が見えた。ミイラ化したかの―わずかに見えるそれを、一瞬蘇りかけた記憶を、認識から遠ざける。脇に置いていた剣を手に取る。鍔の付近で鉤型に曲がったその不吉な剣。俺はそれをその穴へ突き立てる。深く、深く、隠れてしまうように押し込む。その一瞬の楽しげに笑う青年と娘のフラッシュバック。両手で土をかける。

早く、早く穴を塞いでしまわなきゃ・・・。早く閉じ込めてしまわなきゃ。そして忘れてしまわなきゃ・・・。

朽ち果てた彼女が剣を抱く幻想―。