文散

レコード/詩歌

ジャケットは色褪せて ほこりとともに眠ってる やぶれたあの日から 君はここに埋もれてる 今は別の新しいヤツが そこで名前を売る あぶれた君は それを見てまた愚痴をこぼす でも思い出して欲しい あの時あのシーンの 主役は君だったってこと 聴かせてくれな…

バベル/散文

誰がそれを切り分けた? 傷の治りの悪い刃物―のこぎりで。 じぐざぐじぐざぐ 繋がっていた者達を引き裂いた。 そのぎざぎざの刃で。 切り離された傷口がうずく。 誰がそれを切り刻んだ? じくじくじくじく 地球と言う額縁に隙間無く並べられたピースたち。 …

想い/散文

いろんな歌手が歌うように 「あなただけを愛している」とは 僕は言えない 親愛や友愛や家族愛でもって 僕はなるべく多くの人を愛していたい だから あなたへの想いを表現するなら 「あなたが一番好きだ」と言おう あなたと一緒に居る時が あなたと話している…

誰のための涙/散文

僕は子供の頃、痛みや苦しみで自分が可哀相な時に泣く事が多かった。 自分の為に、泣いていた。 弱かった。 自分のために流す涙は弱い涙だ。 無力感や自責の念から来る涙もまた弱い。 後悔は失敗の後につきまとう。 それは成功の糧にもなりうるし、正しい。 …

話し合いと感謝/思索

人を嘲ったり、貶したり、侮辱したりすると優越感に浸る事ができて、少し楽しいような気分になる。 けれど、相手の悲しい顔を見て気が咎めない人間はいない。 多分、悲しい顔を見て気が咎めるというのは遺伝子レベルで人に組み込まれているのだろう。小さな…

ブランコ/十行物語

何となく、思いつきで。 =*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*==*=

箱/戯言

今傍らに箱が在る。 ふむ。 もしかしたら猫が入っているかもしれない。 その猫は死んでいるかもしれない、生きているかもしれない。 観測するまでは不確定だ。 しかし、猫ではないかもしれない。 親友に突き落とされた美しいお嬢さんの首が入っているかもし…

ハゲ課長/××歌

高校生の時に作りましたです。 当時は不況でかなり暗い世相だったので、かなり暗い歌になっています。 当時ではあんまり洒落にならなかったのですが、実感がないとは言え景気が好転した今なら笑えるかな、と思って。懐かしい感じで? この歌には実際の曲に合…

カラフル・ソウル/散文

光の三原色に基づいて三色を重ね合わせると白になる。 色の三原色に基づいて三色を重ね合わせると黒になる。 光の場合は何も無いのが黒。 色の場合は何も無いのは白。 光が知性になぞらえられるのならば、 色は欲望になぞらえられるだろう。 赤い光は情熱、…

never-talker/詩

He was the Never-talker. No words ever come out against his will, None knows what he thinks. Everyone talks faster than him, Everyday he his tongue. Even his own brain works faster than his lips. Only his own mutters is able to be heard. H…

しらうを/詩歌

白魚漁何かの漁の網を見つけた。 毎年秋になるとこの川で見る事が出来る漁の形式だ(※)。 空も高く青く、風は心地よい。 そんな季節。 空高く 曇りもなかれ 水はすみ しらうをいさる 台風一過 (※)恥ずかしながら、昼に書いた時までは聞いた通りに白魚漁だ…

なし/散文

昨日から何にも書けないのである。 よって、何の意味も無い記事になる。 しかし、何の意味も無いといいながら、何の意味も無いと宣言する事で却って意味を持っている可能性がある。 意味の有る事を書けているかと言う問いに対して、意味が有るかどうかは情報…

空の高さ/散文

空の高さを知っているか? 外に出て、目いっぱい手を伸ばして見ると良い。 駄目ならジャンプしてみるといい。 どれだけ飛んでも跳ねても、全然届かないだろう? それが空の高さ。 空からずっと降りて来る。 ずっとじっくり降りて来る。 ずっとずっと降りて来…

瞬間と永遠/思索

人は死ぬ。 絶対に死ぬ。 死なない生物に意味は無い。 死なないのは、コンピュータに任せれば良い。 今は、コンピュータも死ぬけれど、もっとネットワークが広大になったら、ほとんど死ななくなるだろう。 そんなことより、人は死ぬ。 コンピュータが死なな…

隔たり/思索

この肉体を持って生きている理由は何だろうか? マイコン世代の時代の僕らが、映画『MATRIX』のような世界を想定するのはとても自然な事のように思う。 僕もご多分に漏れず高校生の時に図書館でそういう話を書いた。 そしてそのコンピュータの塊を丸ごとふっ…

Not Stand Alone/Not Stay Ago /散文

一人じゃない。 誰もが立ち止まる時がある。 あなたが立ち止まる時、誰かも立ち止まっている。 遠くで見えないけれど、誰かが立ち止まっている。 あなたが立ち止まっている時には、誰もが動いているように見える。 あなたが動いている時には、誰かが止まって…

変化への衝動/思索

破壊衝動とは、変化への衝動が社会にとって不利益な方向へと向いた時に呼ばれる通称である。 だが、本人にとってそれは、正しいと思われる状態への変化の欲求に過ぎず、ただ、それが社会と相容れなかっただけである。 秩序の破壊者とは、秩序を破壊して無秩…

ヒト/思索

生物学的に私はヒトである。 では、どう在ったら人だろう? 人らしさについて情報を集め、人らしさを予想し、人らしく振舞う。 私は人らしく見えているだろうか? 「俺って人っぽい?」 と訊いたら、それは人らしくないので、できない。 とりあえず、 「人で…

断片/思索

かりかり まるでラプラス変換のように、物事をシンプルな形に変換して理解する方法がある。 ホモトピー(※)同値のような。(※追記:“トポロジー”の誤り) その統合されたパタンから逆に個別の事象へと至る変換の道程を知ることもまた一つの理の道。 単純化…

花火大会/詩歌

…浴衣の女の子が多いな…ということは今日は大濠の花火大会の日かな? ほとんど季語みたいなものだな。町行く人でイベントが分かる。 福岡に何年も住んでいるけど、大濠の花火大会には一度も行ったこと無い。テレビの映像で見た限り、あれは花火を見られる状…

キチ/言葉

内容的に屑籠に抛り込む手前で寸止めしていたものを、ちょっと直して此処に。 ■既知 既にして知る。 それはつまり現状。 人は過去の延長にしか存在し得ず、過去から予想される範囲の中に留まった時、人は予想された結果に甘んじた自分を嫌悪する。 ■キチ カ…

航海/散文

詰まる所、自己嫌悪とは錨であり、自己愛とは船体であり、ペルソナとは帆であろう。 錨が重過ぎては出航できない。 船体が大き過ぎては機動性に欠く。 大きすぎる帆だと風にあおられて転覆する。 帆柱の屈強さは持論の確かさを思わせる。 指針の精度は見る目…

幽玄・夢幻/散文

宇宙ははただ一点の無の揺らぎに始まって、 そこから爆発的に膨張して拡散して今に至る。 その宇、つまり空間は光速で拡張するも、 誕生から今に至る全ての時間において、 エネルギーの総和は一定のままだ。 つまり、空間は有限である。 しかしてその宙、つ…

じべたとひと/散文

人は鳥でもなく魚でもない。 世の中は空でもなく海でもない。 飛ぼうとしたって羽なんか無くて、 泳ごうとしたって鰓なんて無い。 だから飛べやしないし、泳ぎ続けてはいられない。 飛べる人と飛べない人の区別がこの世の中にあるのだとしたら、世の中の勝ち…

コマ/散文

人間の精神構造は、不格好なコマに喩えられるように思う。 そのコマには、所々厚みが不均一な所があり、重心が偏って軸がブレる原因となる。 人は、その出過ぎた部分を削るか、反対の凹んだ部分を埋めるかしてバランスをとる。 軸は、その人の興味の中心。 …

シコウ/言葉

【思考】 休む暇も無い。 夢を見るから、夜も、昼も、きっと。 【嗜好】 嫌いなものなど殆ど無い。 それは得手不得手とは別のものだ。 嗜好は志向と軌を一にする。 【指向】 環境は指し示す。何たるべきかを。 【志向】 志し向く。心は定まっている。何たり…

ジグソーパズル/散文

絵柄と形を頼りに、ぴったり合うピースを探している。 65億ピースの壮大なパズル。 僕はその中のひと欠けに過ぎない。 僕の絵柄と形に合うひと欠けを、ずっと探している。 家族や友人、恋人の繋がりが描く図像。 数ピースが家族を、数十ピースが集落を、数百…

月/詩歌

□月 わたしは、漆黒に塗りつぶされた夜に独り、あなたをじっと見つめています。 わたしは、闇に浮かぶ惨めな石ころ。 あなたは、闇に輝く稀なる瑠璃玉。 わたしには、その輝きは、強くて、眩しすぎるのに、それでもあなたから目を逸らせない。 わたしは、陽…

BlackHole/散文

この宇宙の星々のように、世界に情報は偏在し、さまざまな形で存在している。 あるものは固形物、あるものはガス体。 あるものは周期を持って現れ、あるものはその存在が推定されるだけでどのような実体か未だ観測されていない。 情報の、星の海。 そんな知…

ビット・ビート/散文

右の手のひらを胸にあてる。 両胸の間のわずかなくぼみ。 そこに指の付け根のもりあがりが、ぴったりとおさまるように。 脈動を感じる。 今はとても正確に、同じテンポと同じ強さを保っている。 まるで純真なあのメトロノームのようだ。 整然かつ丁寧に、き…