感想

支倉凍砂『狼と香辛料ⅩⅣ』電撃文庫/読書感想

巻末あとがきでも終幕を見据えてのコメントが出ている名シリーズです。 もう安定飛行状態ですね。 いろんな意味で。 もう感想で書くことはいくつもないですよ。 もう、俺が書きたいのは、この以下の白く書いたネタバレだけだ。 =*==*==*=ネタバレ=*==*==*= …

アントワーン・フークア監督『ザ・シューター/極大射程』/映画感想

( ゚д゚)ポカーン 日曜洋画劇場で観ました。 (゚д゚)ポカーン おいィ!?お前それでいいのか!? >監督 期待して見始めたのに、思わず横の弟と顔を見合わせたぞ。 いや、最初は良かったよ。 ベトナム戦争とかそういう時代じゃないからね。南米てのは良かった。 メ…

小松左京『日本沈没』小学館文庫/読書感想

1973年に発行されたものだが不朽の名作と言えよう。 僕が手にとったのは2006年のバージョンで、堀晃氏が良い解説を書かれ、その中で指摘しているが、これは優れたハードSFであり、ポリティカルSFである。パニックものでもある。とてつもなく濃密で激しい。 …

GAINAX『トップをねらえ!』/アニメ感想

まー、たいがいアニオタですか?って印象でしょうか? うーむ……。なんか違う気がするが、まあそれでもいっす。 Gyaoで2010年4月30日まで無料で視聴できます、→トップをねらえ![B-ch] 正直ね、あんま面白さがわからんかった! いや、1988年でしょ。僕7歳です…

石田衣良『1ポンドの悲しみ』集英社文庫

初めて読んだ石田衣良作品です。 平凡なようで、幸福な恋愛像という夢を描く。 あとがきで女性から取材した話を脚色して書いていると語ってあったけれど、これは聞き上手が聞いた話をうまく物語に落とし込むそのままの上手さなんだろう。 うまいなー、もてる…

SQUARE『Final Fantasy Ⅶ』(1997)/ゲーム感想

クリアしました。 ラスボスを倒しただけですけど。 だって、いや、あの砂漠のアレと海中のアレが残ってるけど、なんかめんどい。 クリアした直後の感想は、 「あれ?これで終わり?(´・ω・`)」 って感じ。 なんか、完結してないよなー。 そして何年後――っ…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル-圧縮・燃焼・排気-』ハヤカワ

すばらしいサイバーパンク・ジュブナイル。 残酷な社会で殻に閉じこもっていた少女は、彼女を利用しようとする欲望の炎に包まれた。 死の直前に彼女を救ったものは、社会から拒絶された技術だった。 「ドクター」と「ウフコック」は、終戦後に否定された技術…

海堂尊『ナイチンゲールの沈黙(上・下)』宝島社文庫/読書感想

『チーム・バチスタの栄光』で華々しくデビューを飾った海堂氏の続編。 正直なところ、ミステリとしては一本道すぎたかな、と。 もう少し、容疑者候補がもっと前面に出てくるか、あるいは話をひっくり返すかのどちらかが欲しかったかなー。 締めの犯行告白も…

12月末~1月購入記録/読書感想

いかん、去年の年末に買ったやつの記録をつけるの忘れてた。 12/29 石田衣良『1ポンドの悲しみ』集英社文庫 川上弘美『センセイの鞄』文集文庫 エラリイ・クイーン『シャム双生児の秘密』ハヤカワ 福沢諭吉『学問のすゝめ』岩波文庫 海堂尊『ナイチンゲール…

志賀直哉『暗夜行路』新潮文庫/読書感想

(2010.01.16追記) 今読み返してみて、やはり切れ味が鈍いと思いました。電車の中で読み終わった直後はもう少し鮮明な印象があったのだけれど、たらふくくって風呂にまで入ってしまった後ではそれがかなりひどくなまくらになってしまっている。 しかし、今…

おがきちか『エビアンワンダー』ZERO-SUM

いいね!ファンタジーの○○ものとして完成されている! 『ランドリオール』も大好きだし、おがきちか好きだなー。マジで。見つけたのは弟だけど。 悪魔と契約し望みを叶える代わりに、悪人を狩り、地獄のエネルギーとして収めることで負債を返済する義務を負…

アーシェラ・K・ル=グウィン『闇の左手』ハヤカワSF/読書感想

色褪せない名作だな。 すばらしい。 作中のゲセン人を「両性具有者」と表記するのには、ちょっと語弊があるように思う。 これは「雌雄同体」の類じゃなかろうか。 厳冬の世界、雌雄同体の人類、そこに降り立つたった一人の高度文明からの使節。 性別が存在し…

12月の購入/読書感想

久しぶりに買い物に出ました。 12/6 冲方丁『マルドゥック・スクランブル』、アーシェラ・K・ル=グウィン『闇の左手』ハヤカワSF 誕生日ということでSFで手が出ていなかったものをゲット。 今、『闇の左手』を読んでいます。素晴らしい。 12/13 夏目漱石『…

いろいろ感想まとめて/感想

んーむ。 感想を書く衝動に駆られる感じが弱かったので、まとめて。 ○『狂人日記』岩波文庫 21世紀に生きる私たちはその程度の狂気ではもはや足りない! 狂人がただ狂人らしくあるのではなく、 常人が狂人になっていく過程こそ楽しい! ○上橋菜穂子『獣の奏…

森博嗣『そして二人だけになった』新潮文庫/読書感想

A海峡大橋を吊っているワイヤーを地盤に定着する巨大なコンクリート塊――アンカレイジに造られた「バルブ」と呼ばれる設備。 そこに集まったのは海峡大橋の建設に関わった専門家4名と1名の医師、そしてアシスタント。 管理システムの異常により外界と隔絶さ…

山本譲司『累犯障害者』新潮文庫

とりあえず読了の報告。 これはすごい。 すごく悔しいぞ。 すごく。 こんなことを知らなかったら、これまでの障害者福祉の知識はすべてしったかぶりだ。 頭の中がうわぁあああ!ってなる。 なる。 「文化する」って言葉を考えてしまう。 2.5パーセントを見つ…

夏目漱石『三四郎』新潮文庫/読書感想

あー、なるほどなー、うまいなー。 すごく現代に通じるところがある。 というか、この表現はずれているな。 すごく現代の俺の感覚に通じるところがある。 この煮え切らない二人の関係が巧いな。 あと、広田先生がハムレットを読み違えて、それを三四郎が劇場…

川口幸範『フープメン』(全2巻)JC/漫画感想

素材はすごく良かったと思う。 通訳という新鮮なものと、フツーの身長なんだけど、「手首の柔らかさ」という日常生活ではぜんぜん気付けない特殊能力が隠されていて、それがシューターとしての開花に繋がるという、玄人好みでありかつ素人にもわりと分かりや…

高見広春『バトル・ロワイアル』幻冬舎文庫

読み終わりました。 解説の池上冬樹氏の称賛は褒めすぎかな、と思うけれど、思っていたよりも良い作品だった。 少なくとも「キワモノ」というのはためらわれるレベル。 青春小説としては申し分ないと思う。 ただ、僕は映画化した直後に友人と映画を観ている…

『イブの時間』スタジオ六花/アニメ感想

一週間前からGyaoで観られる状態でした。 オススメです! 『イブの時間』(公式サイト) 『イブの時間』(Gyaoアニメ) ※全話公開中 『イブの時間』(ニコニコアニメチャンネル) ※1話と6話のみ 未来、たぶん日本。 ”ロボット”が実用化されて久しく、 ”人間…

細田守監督『時をかける少女』/観賞感想

例によってGyaoで観ました。 面白かったですけど、いや、うーん、正直、シメはあれで良かったのかなぁ? 途中、しょーもないことにリープを使いまくるのは可笑しかったし、キューピッドとして奮闘するのも面白かった。 カラオケ10時間は噴いた。 起・承・転…

TABLE FOR TWO 事務局長 小暮真久『「20円」で世界をつなぐ仕事』/読書感想

発行は日本能率協会マネジメントセンターです。 先進国と途上国の2つのテーブルをつなぎ、2人にとって良い食事をもたらす活動をしているNPO法人「TABLE FOR TWO」(⇒「TABLE FOR TWO」ウェブサイト)の事務局長が書かれた本です。 まず、この本、普通にビジ…

塩野七生『ローマ人の物語35~37 最後の努力』新潮文庫

現在、35巻の半ば過ぎ、ってところですが、最後まで読んでから感想を書こうとすると前半に考えたことを忘れがちなので読みながら書く。 てわけで、35巻の半ばまで。 まずは、助詞の使い方がところどころおかしいところがある。 退潮の時代にあって勢いが低下…

森博嗣『スカイ・イクリプス』中公文庫/読書感想

一口に言うなれば、「スカイクロラシリーズ解答編」ってところでしょうか?

9月3日・5日の購入/読書記録

2日間別々に買ったけど、記録上分ける意義がないので一緒に。 森博嗣『スカイ・イクリプス』中公文庫 塩野七生『ローマ人の物語35~37 最後の努力』新潮文庫 山本譲司『累犯障害者』新潮文庫 エラリイ・クイーン『十日間の不思議』ハヤカワ文庫 井上雄彦『バ…

カエサル著・近山金次訳『ガリア戦記』岩波文庫

面白い。 しかし、前後関係が全然無いので予備知識がないとよく分からんかもしれん。 ていうか、『ローマ人の物語』で予備知識がないとさっぱりだったろうな。 しかし、分かりやすい文章である。 ただ、やはり人名などがピンと来ないところがあるので、その…

8月29日の購入記録/読書感想

休日出勤でイラっときたのでブックオフ行って来た。 8/29購入 シェイクスピア作『十二夜』、ツルゲーネフ『初恋』、ゴーゴリ『狂人日記』岩波書店 高見広春『バトル・ロワイアル』幻冬舎文庫 森博嗣『そして二人だけになった』新潮文庫 夏目漱石『三四郎』新…

松岡圭祐『マジシャン 完全版』角川文庫/読書感想

そうですね。 面白いと思います。 でも、この作品の惜しいところは、マジックを利用したトリックの面白さと化かしあいのエンターテイメントだけで成り立っていて、作中でちらほら言及されている「マジックに騙されることのおもしろさとは何か」ということへ…

ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った(上・下)』岩波文庫/読書感想

うーむ。読み終わったのは先週の土曜くらい。つまり、8とか7とか。 宗教改革を経て、農業革命があって、産業革命が起きて。 その中で、教会の支配力が低下する代わりに道徳を与える力が弱まってきたのだろう。 それに対して、新しい規範を構築する必要がある…

乙一『暗いところで待ち合わせ』幻冬舎文庫/読書感想

乙一氏の作品には、はっきりと明確化されないけれど登場人物たちの自分への細やかな弱い嘘がある。 乙一氏が描かく若者たちの弱さはとても共感できるものが多い。 しかし、その弱さというのはやさしさから来ているものだから、最後にやさしさが芯となって発…