感想

水村美苗『続 明暗』ちくま文庫/読書感想

『明暗』を読んだのは、2008年のことなのか……そりゃ忘れてるわ。 「夏目漱石『明暗』新潮文庫/読書感想」 そういうわけで、再読して、さらにこの『続 明暗』を読んだわけですが、正直読む前は水村氏の筆力を疑ってました。でも、すごいね。もちろん、漢文や…

夏目漱石『虞美人草』新潮文庫/読書感想

良い作品でした。 東京帝大を辞して朝日新聞で始めた漱石の最初の作品ということで、描写に篭る気迫……もとい知識が凄まじい。 はっきり言って、ちょっと頭が固まるレベル。 疲れているときは全然文章が入ってこないので、帰りの電車だけでは2ヶ月かかってし…

『魔法少女まどかマギカ』/アニメ感想

久しぶりに単独で感想書きたくなるような「語りたくなるアニメ」だったな~。 スタッフいい仕事でした。GJ! 簡単な紹介を。 『魔法少女まどかマギカ』はシャフトの制作による、オリジナルアニメ。つまり、原作漫画や原作小説を持たないってこと。 監督は200…

支倉凍砂『狼と香辛料~太陽の金貨~』15巻・16巻/読書感想

面白かった。これは単純にラノベという枠を越えて、中高生辺りに経済の面白さを知ってもらう意味で読んでほしいなぁ。そんで、16巻を読み終わったところで、現代の通貨経済がどのように構成されているか……。 ま、その辺は経済学の先生に譲るとして。 作者も…

作:カート・ヴォネガット・Jr、訳:浅倉久志『タイタンの妖女』ハヤカワSF/読書感想

ジャンルを言うとネタバレになるジャンルのSF小説です。 この作品の肝は、ウィンストン・ナイルス・ラムファードの描写は、フランクリン・ルーズベルトを意識してなされているということです。 それが前提にあればかなり面白い。 この前提は、訳者あとがきを…

ゴッホ展@九州国立博物館/展覧会感想

今日は雨が降ってるからだらだらすることにした。 昨日はきまめと太宰府に。 太宰府天満宮に12時半頃着いて、参拝しておみくじ引いた。小吉だった。 コツコツやるのがいいとのこと。がんばりまっか。ぼちぼちでんな。 ゴッホ展は予想以上に点数が多くて時間…

大暮維人『天上天下』UJ/漫画感想

この度完結し、最終巻が発売されたわけですが……「迷作」と言わざるを得ないな。本当に……。 主人公とは何か、構成とは何かを深く考えさせられる。 超常の力を持つ登場人物達。彼らは何故この学園に集い、そして闘うのか。 その闘いは、近くは2年前に、より遡…

川端康成『伊豆の踊り子・温泉宿・他四篇』岩波文庫/読書感想

Twitterでも書いたけど、ブックオフで買ったので書き込みがたくさん……。 ただ、えらくご年配の先生だったらしく、「影像(ビデオ)」って書いてあって驚いた。 この表記を見るのは久しぶり。 しかし、他者の視点を見るというのも久しぶりだったが、いいもの…

塩野七生『ローマ人の物語ーキリストの勝利』新潮文庫/読書感想

ローマの終焉が近づいてきて、目に見えて塩野さんのテンションが下がってきている『ローマ人の物語』。 まずサブタイトルが気になります。 「キリストの勝利」 ……キリストが勝ったわけではなく、後世の「キリスト教」が勝ったんだと思うんだけど……。 ユリア…

海堂尊『ジェネラル・ルージュの凱旋』宝島社文庫/読書感想

読んでからけっこう時間が開いちゃったなぁ。 正直、『ナイチンゲールの沈黙』がイマイチだったこともあって、無理矢理ミステリだったらどうしようかと思っていたところでした。(参考:『ナイチンゲールの沈黙』感想) しかし、『ジェネラル』は違いました…

パーダ『魔道』WEB漫画/漫画感想

「魔道」っていうWeb漫画が面白くて、昨日一気読みした。 アイディアの感じと、全体の雰囲気で作者なんとなく年近いだろうな~と思ってたら1個しか違わんかったw 魔力を使える者が稀に生まれてくる世界。 多くの魔法使いの中でも特に大きな魔力を使い、魔物…

アニメなど感想(おれはや)/鑑賞感想

それから※、最近観たアニメの感想。(※書き始めたときは『虐殺器官』を読んだ直後だった。これはひどい。ホントは秋アニメのオススメをしようと思ってたんだけどなぁ……←ブログの閲覧数を無視した発言) ぶっちゃけよう。アニメはニコニコでしか見てない、と…

最近の小説2つ/読書感想

『虐殺器官』と前後するけど、最近読んだ本の感想。 ■梨木香歩『西の魔女が死んだ』(9月の中頃くらいに読了) 正直、良さがわからんかった。 イニシエーション的……通過儀礼的なもんなんだろうか?女性の。 人間社会の強圧さとの衝突から、自然派の生活を通…

伊藤計劃『虐殺器官』ハヤカワ文庫JA/読書感想

天才という言葉では足りないので、詳しく書こうか。 というか、生命そのものが努力となっていた状況で鍛え上げられた自我と、それを投射すべき世界への繊細な理解は、ぎりぎりまで磨ぎ上げられた結晶と言えるだろう。 戦争状態にありながら、主人公は繊細に…

小野不由美『屍鬼』新潮文庫/読書感想

これはすごい作品。 オマージュの対象、スティーブン・キングの『呪われた町』は読んだことはないんですが、 パニックホラーとしてあまりにも精緻に日本的アレンジが施されている。 素晴らしい。 うーん、序盤が長いのが、なかなか気の短い読者にはつらいと…

スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』/映画感想

見始めたので、Twitterで個人実況しようかと思ったらメンテ入りしちゃった。 てわけで、まずは実況から。 =*==*==*==*==*==*= 正直、原作知ってても思ってしまった「いつまでサルのシーンなんだよ!?」と思っていた矢先のモノリス登場から、モノリスを仰い…

龍馬伝おもしろい!/ドラマ感想

龍馬伝おもしろいなー! 第2部の最終話も良かったし、第3部のスタートもすごい良かった。 竜馬が土佐に潜入して「自分が犯人だ」と名乗り出た時は、「おいおい、確かに坂本竜馬犯人説はあったそうだけど、それは大丈夫かよ?」と思ったけど、終わってみれ…

西尾維新「戯言シリーズ」講談社文庫/読書感想

読了しました。昨日。 そういうわけで、三連休ですし、久々にブログを更新しましょうということで、まずはこいつです。 未読者への注意から。 まず、ミステリじゃないですね。 ミステリじゃないと断言しておきましょう。 でなければ、メフィスト賞ということ…

森博嗣『λに歯がない』講談社文庫/読書感想

建築物の研究所に作られた密室に、歯を抜かれた4つの死体。 死因は銃殺。 万全のセキュリティで入退室の記録は完璧。 しかし、殺された4人が入り、犯人が出て行った記録はなし。 Gシリーズも5作目、ってことで過去のパターンからすれば折り返しになるのかな…

森博嗣『εに誓って』講談社文庫/読書感想

バスジャックが発生する。 犯人は、人質達に外との連絡を許可する。 まるで、反応を伺うように。 一連のギリシャ文字を共有する事件。 その背後には、かつて自由へ至る解として殺人を選択した経緯を持つ世界的な天才が? 面白い。 うーん、そだね、メインの…

西尾維新『クビシメロマンチスト』講談社文庫/読書感想

2010年6月12日読了です。今、19日。やべ、一週間前か(汗 あー、これは、なんていうか、ミステリとしてどうなんだろう? 情報が少なくて限定できないはずだけど、だいたい正解になってしまう。 それが結局ハズレてしまう理由が、「嘘」だというのが、また。 …

西尾維新『クビキリサイクル』講談社文庫/読書感想

うーん、天才を隠すなら天才の中、か。参りました。でも、俺は割と人間の平等さを信じてるんだ。才能は欠陥によって購われる。 書こうと思えば普通に書けると思うんだけど、そうしていない感じがするクセのある文章。 玖渚友を受け付けない人は多いだろうな…

伊坂幸太郎『陽気なギャングが地球を回す』祥伝社文庫/読書感想

2010.06.01くらいに読み終わった。 直後のツイートでは、こんな感じ。 #nowreading ていうか、読了なんだけど、伊坂『陽気なギャング~』面白かった。現代的で読者の欲求に合致している。伊坂氏の特色は非日常へのショートトリップだよな。安近短。 『オーデ…

映画『AVATAR』/映画感想

2Dで観ました。 3Dだったら酔ってたかも。 なんとなく、『ロボコップ』を思い出した。 最後のワークローダー?なんかそういう、ロボットと主人公の戦いを観ながらそう思った。 あれは、スラムの人たちの権利を守ったんだけど、それとも違うテーマだよね。 あ…

舞城王太郎『煙か土か食い物』講談社文庫/読書感想

明日早いけど、俺なら感想書けるはず。チャッチャッチャ。 さて、読み始めて感じるのはハンパないドライブ感。 このドライブ感というものは、つまり「おう、新しい車買ったんだ。お前乗せてやるよ」てな感じで、開かれた助手席のドアに押し込まれるのに等し…

#nowreading『煙か土か食い物』/小説感想

舞城王太郎の『煙か土か食い物』が天才の犯行過ぎて生きるのが辛い。 まだ半分しか読んでないけど、これがデビュー作とか頭がおかしい。 ていうか、メフィスト賞はおかしすぎる。 文体が壊れているようで、壊れてない。ギリギリのラインを保ってる。 まあ、…

福沢諭吉『学問のすゝめ』岩波文庫/読書感想

これは素晴らしい名著。 これを学ばせないなんて嘘だろ。 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」だけが有名だけれど、実学の希求と、その努力の如何だけが人間の貴賎を左右し、男女老若に差別のないことを説くこの書は現代にも十分通ずると…

エラリイ・クイーン『シャム双生児の秘密』ハヤカワ/読書感想

ダイイングメッセージを取り扱った作品ですね。 なにげに国名シリーズは初です。 オーソドックスなかんじで読みやすいですね。 ただ、これ指輪の件がなかったらどうやって正解にたどり着くんですかね? まあ、そのための小事件なんですけど。 それにしても意…

デイブ・ペルザー『“It”と呼ばれた子』ヴィレッジブックス/読書感想

ああ、暗い感想を書いた。気を付けて欲しい。続きをあまり読んで欲しくない。でも、これが僕の素直な感想。 これを読み終わった人に訊ねたい。 「これを現実と受け止められましたか?」と。 私にとってこれは現実ではない。 体験することはできない物語でし…

支倉凍砂『狼と香辛料ⅩⅣ』電撃文庫/読書感想

巻末あとがきでも終幕を見据えてのコメントが出ている名シリーズです。 もう安定飛行状態ですね。 いろんな意味で。 もう感想で書くことはいくつもないですよ。 もう、俺が書きたいのは、この以下の白く書いたネタバレだけだ。 =*==*==*=ネタバレ=*==*==*= …

アントワーン・フークア監督『ザ・シューター/極大射程』/映画感想

( ゚д゚)ポカーン 日曜洋画劇場で観ました。 (゚д゚)ポカーン おいィ!?お前それでいいのか!? >監督 期待して見始めたのに、思わず横の弟と顔を見合わせたぞ。 いや、最初は良かったよ。 ベトナム戦争とかそういう時代じゃないからね。南米てのは良かった。 メ…

小松左京『日本沈没』小学館文庫/読書感想

1973年に発行されたものだが不朽の名作と言えよう。 僕が手にとったのは2006年のバージョンで、堀晃氏が良い解説を書かれ、その中で指摘しているが、これは優れたハードSFであり、ポリティカルSFである。パニックものでもある。とてつもなく濃密で激しい。 …

GAINAX『トップをねらえ!』/アニメ感想

まー、たいがいアニオタですか?って印象でしょうか? うーむ……。なんか違う気がするが、まあそれでもいっす。 Gyaoで2010年4月30日まで無料で視聴できます、→トップをねらえ![B-ch] 正直ね、あんま面白さがわからんかった! いや、1988年でしょ。僕7歳です…

石田衣良『1ポンドの悲しみ』集英社文庫

初めて読んだ石田衣良作品です。 平凡なようで、幸福な恋愛像という夢を描く。 あとがきで女性から取材した話を脚色して書いていると語ってあったけれど、これは聞き上手が聞いた話をうまく物語に落とし込むそのままの上手さなんだろう。 うまいなー、もてる…

SQUARE『Final Fantasy Ⅶ』(1997)/ゲーム感想

クリアしました。 ラスボスを倒しただけですけど。 だって、いや、あの砂漠のアレと海中のアレが残ってるけど、なんかめんどい。 クリアした直後の感想は、 「あれ?これで終わり?(´・ω・`)」 って感じ。 なんか、完結してないよなー。 そして何年後――っ…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル-圧縮・燃焼・排気-』ハヤカワ

すばらしいサイバーパンク・ジュブナイル。 残酷な社会で殻に閉じこもっていた少女は、彼女を利用しようとする欲望の炎に包まれた。 死の直前に彼女を救ったものは、社会から拒絶された技術だった。 「ドクター」と「ウフコック」は、終戦後に否定された技術…

海堂尊『ナイチンゲールの沈黙(上・下)』宝島社文庫/読書感想

『チーム・バチスタの栄光』で華々しくデビューを飾った海堂氏の続編。 正直なところ、ミステリとしては一本道すぎたかな、と。 もう少し、容疑者候補がもっと前面に出てくるか、あるいは話をひっくり返すかのどちらかが欲しかったかなー。 締めの犯行告白も…

12月末~1月購入記録/読書感想

いかん、去年の年末に買ったやつの記録をつけるの忘れてた。 12/29 石田衣良『1ポンドの悲しみ』集英社文庫 川上弘美『センセイの鞄』文集文庫 エラリイ・クイーン『シャム双生児の秘密』ハヤカワ 福沢諭吉『学問のすゝめ』岩波文庫 海堂尊『ナイチンゲール…

志賀直哉『暗夜行路』新潮文庫/読書感想

(2010.01.16追記) 今読み返してみて、やはり切れ味が鈍いと思いました。電車の中で読み終わった直後はもう少し鮮明な印象があったのだけれど、たらふくくって風呂にまで入ってしまった後ではそれがかなりひどくなまくらになってしまっている。 しかし、今…

おがきちか『エビアンワンダー』ZERO-SUM

いいね!ファンタジーの○○ものとして完成されている! 『ランドリオール』も大好きだし、おがきちか好きだなー。マジで。見つけたのは弟だけど。 悪魔と契約し望みを叶える代わりに、悪人を狩り、地獄のエネルギーとして収めることで負債を返済する義務を負…

アーシェラ・K・ル=グウィン『闇の左手』ハヤカワSF/読書感想

色褪せない名作だな。 すばらしい。 作中のゲセン人を「両性具有者」と表記するのには、ちょっと語弊があるように思う。 これは「雌雄同体」の類じゃなかろうか。 厳冬の世界、雌雄同体の人類、そこに降り立つたった一人の高度文明からの使節。 性別が存在し…

12月の購入/読書感想

久しぶりに買い物に出ました。 12/6 冲方丁『マルドゥック・スクランブル』、アーシェラ・K・ル=グウィン『闇の左手』ハヤカワSF 誕生日ということでSFで手が出ていなかったものをゲット。 今、『闇の左手』を読んでいます。素晴らしい。 12/13 夏目漱石『…

いろいろ感想まとめて/感想

んーむ。 感想を書く衝動に駆られる感じが弱かったので、まとめて。 ○『狂人日記』岩波文庫 21世紀に生きる私たちはその程度の狂気ではもはや足りない! 狂人がただ狂人らしくあるのではなく、 常人が狂人になっていく過程こそ楽しい! ○上橋菜穂子『獣の奏…

森博嗣『そして二人だけになった』新潮文庫/読書感想

A海峡大橋を吊っているワイヤーを地盤に定着する巨大なコンクリート塊――アンカレイジに造られた「バルブ」と呼ばれる設備。 そこに集まったのは海峡大橋の建設に関わった専門家4名と1名の医師、そしてアシスタント。 管理システムの異常により外界と隔絶さ…

山本譲司『累犯障害者』新潮文庫

とりあえず読了の報告。 これはすごい。 すごく悔しいぞ。 すごく。 こんなことを知らなかったら、これまでの障害者福祉の知識はすべてしったかぶりだ。 頭の中がうわぁあああ!ってなる。 なる。 「文化する」って言葉を考えてしまう。 2.5パーセントを見つ…

夏目漱石『三四郎』新潮文庫/読書感想

あー、なるほどなー、うまいなー。 すごく現代に通じるところがある。 というか、この表現はずれているな。 すごく現代の俺の感覚に通じるところがある。 この煮え切らない二人の関係が巧いな。 あと、広田先生がハムレットを読み違えて、それを三四郎が劇場…

川口幸範『フープメン』(全2巻)JC/漫画感想

素材はすごく良かったと思う。 通訳という新鮮なものと、フツーの身長なんだけど、「手首の柔らかさ」という日常生活ではぜんぜん気付けない特殊能力が隠されていて、それがシューターとしての開花に繋がるという、玄人好みでありかつ素人にもわりと分かりや…

高見広春『バトル・ロワイアル』幻冬舎文庫

読み終わりました。 解説の池上冬樹氏の称賛は褒めすぎかな、と思うけれど、思っていたよりも良い作品だった。 少なくとも「キワモノ」というのはためらわれるレベル。 青春小説としては申し分ないと思う。 ただ、僕は映画化した直後に友人と映画を観ている…

『イブの時間』スタジオ六花/アニメ感想

一週間前からGyaoで観られる状態でした。 オススメです! 『イブの時間』(公式サイト) 『イブの時間』(Gyaoアニメ) ※全話公開中 『イブの時間』(ニコニコアニメチャンネル) ※1話と6話のみ 未来、たぶん日本。 ”ロボット”が実用化されて久しく、 ”人間…

細田守監督『時をかける少女』/観賞感想

例によってGyaoで観ました。 面白かったですけど、いや、うーん、正直、シメはあれで良かったのかなぁ? 途中、しょーもないことにリープを使いまくるのは可笑しかったし、キューピッドとして奮闘するのも面白かった。 カラオケ10時間は噴いた。 起・承・転…